友人が「7万円」のチャイルドシートを買っていてビックリ! わが家は「1万円台」のものなのですが、やはり高いほうが“安全”なのでしょうか? 買い替えたくても手が出せません…
配信日: 2024.10.20 更新日: 2024.10.21
子どもの安全に関わることとはいえ、予算的に高価なチャイルドシートを買えないという人も多いのではないでしょうか。本記事では、チャイルドシートの価格相場と安全性について解説します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
チャイルドシートの価格相場とその違い
チャイルドシートは幅広い価格帯で販売されています。0歳から使えるチャイルドシートは、次のような価格のものがありました(2024年10月11日時点)。
●KATOJI Joie Steadi R129:約2万2000円
●コンビ クルムーヴ R129 エッグショック CA:約5万8000円
●マキシコシ マイカ360 プロ:約7万9000円
このように、メーカーやタイプによって価格はさまざまです。一般的に、価格が高いチャイルドシートには次のような特徴があります。
・座面が回転する
チャイルドシートの座面には、「回転式」と「固定式」があります。回転式だとドア側にシートを回せるため、子どもを乗降させる際の負担が減るでしょう。
・ISO-FIXで固定できる
ISO-FIXとは、シートベルトを使用せず、車に備え付けの専用金具(ISO-FIX)により自動車側の座席とチャイルドシートを固定する方法です。取り付けが楽で装着ミスが起こりにくいといったメリットがあります。ISO-FIX は2012年7月以降に市販されている乗用車には必ず装備されています。
・柔らかく通気性が良い
クッション性が高いものや通気性が良い素材のものは、価格が高い傾向にあります。クッションで衝撃を吸収してくれるため、子どもへの負担が少なく、また長時間座っていても疲れにくいため、子どもが移動時間を快適に過ごせるのもメリットです。
・使用できる年数が長い
子どもが大きくなっても使用できる、使用期間が長いチャイルドシートが多く発売されています。価格は高くなりますが、買い替えをしなくて済むため、長い目で見たときのトータルの出費は抑えられるでしょう。
このように、一般的には価格が高いほど、利便性や快適性が高い傾向にあります。
チャイルドシートの安全基準
現在、日本で使われているチャイルドシートの安全基準は2つあります。
・R44
従来の安全基準で、子どもの体重を基に、最適なチャイルドシートの使用や、乗り換え時期を判断します。現在もこの安全基準を採用したチャイルドシートは販売されていますが、新たな生産・出荷は終了しています。
・R129(i-Size)
2023年9月より完全施行された、新しい基準です。現在はこの安全基準をクリアしたチャイルドシートだけが製造可能となっています。身長に応じて乗り換え時期の目安を判断します。側面衝突に強い設計基準が加わった点や、生後15ヶ月まで後ろ向き使用を義務付けられている点が特徴です。
チャイルドシートの安全性は、価格よりもこれらの安全基準を満たしているかによって決まります。安全面を重視するのであれば、従来の基準よりも高い基準をクリアしている「R129」を満たしたチャイルドシートを買うとより安心でしょう。
安全基準を確認して予算に合ったチャイルドシートを選ぼう
安価なチャイルドシートでも、R44やR129の基準をクリアしていれば安全性に問題はありません。頻繁に子どもを乗せて運転する、長時間運転することなどが多いなら、より安全性が確保されているR129の基準をクリアしたチャイルドシートを検討しましょう。
一方で、高価なチャイルドシートは安全性を担保している点に加え、使い勝手が良く使用年数が長いといったメリットがあることも確かです。チャイルドシートの安全基準をしっかり確認しつつ、予算に合うものを見つけてくださいね。
出典
国土交通省 チャイルドシートアセスメント2024.3
消費者庁 こども安全メール Vol.653 より安全なチャイルドシートの使用を!
執筆者:山田麻耶
FP2級