更新日: 2024.10.22 子育て

息子が中学卒業後は調理を専門的に学びたいから高校ではなく「高等専修学校」に行きたいと言います。高等専修学校とは、どのような学校なのでしょうか?

息子が中学卒業後は調理を専門的に学びたいから高校ではなく「高等専修学校」に行きたいと言います。高等専修学校とは、どのような学校なのでしょうか?
高等専修学校とは、中学校を卒業した人を対象にした専門学校です。つまり年齢でいえば、主に高校生と同年代の生徒を対象にしています。
 
では、高等専修学校とは、どんな学校なのでしょうか? 本稿で大まかに見ていくことにしましょう。
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

実務や資格取得の教育

高校の場合、特に普通科では国語や数学、英語などの、どちらかといえば教科書を中心とした、いわゆる「座学」がメインになります。
 
しかし、高等専修学校の場合は、座学よりもむしろ、実務や資格取得等を目的とした教育が行われています。例えば、調理師や製菓衛生師等の資格取得を目指したカリキュラムが組まれていたり、ダンスやeスポーツ等の教育を行っていたりする学校もあります。
 
<東京都の場合>
東京都では、41の高等専修学校があります。准看護などの医療関係、調理・製菓、理容・美容などの衛生関係、文化・教養の学科を設ける学校が多いようですが、一つの学校で複数の分野を設けている高等専修学校もあります。
 

生徒の個性を尊重し、生徒のニーズに応える

座学中心の高校に比べると、高等専修学校は生徒の「やりたい」「やってみたい」というニーズに応えるカリキュラムが組まれているといえそうです。つまり、学校側も生徒の個性を尊重する教育を行っています。
 
<生徒のおよそ2割が不登校経験者>
文部科学省の調査によると、高等専修学校の生徒のおよそ2割強が不登校経験者です。先述のとおり、高等専修学校は生徒のニーズに応え、個性を尊重する教育を行っています。そのため、高等専修学校での学びを通じて、不登校が解消する生徒もいます。
 
<学ぶ期間>
3年制の学校が多いです。准看護の場合は2年制、理容美容の場合は2年以上、調理の場合は1年制がそれぞれ多い傾向にあります。なお、学校のホームページ等を見ると「1年6ヶ月」という学校もあります。
 

大学や専門学校専門課程への進学について

高等専修学校は、高校ではありません。つまり、高等専修学校を卒業しても高校を卒業したことにはなりません。
 
ですが、条件を満たした高等専修学校を卒業すると「大学入学に関し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者」とされ、大学や専門学校専門課程に進学することができます。
 
その条件とは、「3年以上のカリキュラムが組まれている」「卒業に必要な総授業時間が2590時間(74単位以上)」「文部科学大臣が指定した学科の修了者」です。
 
<大学入学資格付与(高等学校卒業程度)指定校について>

(1) 修業年限が3年以上、(2) 卒業に必要な総授業時間が2590時間(74単位)以上などの要件を満たし、かつ文部科学大臣が指定した学科の修了者は、高等学校卒業者と同等以上の学力があると認められ、大学入学資格が得られます。

(出典:公益社団法人東京都専修学校各種学校協会「高等専修学校とは」)
 

高等専修学校も支援の対象です

高等専修学校に通う生徒も、通学定期券の利用が可能です。また、国の助成制度である高等学校等就学支援金の対象で、東京都が行っている東京都私立高等学校等授業料軽減助成金の対象にもなっています。
 
本稿をご覧になっている中学生のお子さんがいる保護者さま、そして中学校の先生方は、進路の選択肢や指導のラインアップに高等専修学校を加えて、検討してみるのはいかがでしょうか。
 

出典

公益社団法人東京都専修学校各種学校協会 高等専修学校とは 高等専修学校
公益社団法人東京都専修学校各種学校協会 高等専修学校とは 未来をひらく高等専修学校活用
全国高等専修学校協会 Q14 高等専修学校生は通学定期券割引(学割)が使えますか?
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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