映画館で「盗撮」している人を見かけたのですが、確信が持てなくても「指摘」すべきだったでしょうか? また、盗撮した人にはどのような「刑罰」が科せられるのでしょうか…?

配信日: 2024.10.24

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映画館で「盗撮」している人を見かけたのですが、確信が持てなくても「指摘」すべきだったでしょうか? また、盗撮した人にはどのような「刑罰」が科せられるのでしょうか…?
映画館では、録画機能を持つスマートフォンの使用は禁止されています。しかし、上映中に映画の盗撮を疑ってしまう動作を見たことがあるという方がいるようです。「確実な証拠もないのに犯人扱いして間違っていたら」と思うと、声をかけることをためらってしまう気持ちは分かります。
 
そこで本記事では、映画館で盗撮しているかもしれない人を、見つけてしまったときの対応を紹介します。映画盗撮に関する2つの法律についても触れているので、盗撮における罪の重さを考えるきっかけにしてください。
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映画館で盗撮している人がいたら指摘するべき?

映画館で映画の盗撮を見かけた場合は、たとえ確実な証拠がなくても、上映終了後速やかに映画館のスタッフへ通報するとよいでしょう。実際、スタッフへの通報により、映画盗撮の容疑で書類送検された事例があります。
 
2015年2月9日、隠し持ったビデオカメラとICレコーダーを用いて盗撮した47歳男性が、逮捕に至った事件です。盗撮に気づいた観客が映画館スタッフへ通報したことで事件が発覚しました。
 
「映画館に行こう!」実行委員会では、映画盗撮を発見したときは、劇場スタッフへ声をかけてほしい旨を公表しています。
 
映画の盗撮を見つけたときは、確信が持てなくても、必ず盗撮した人物の特徴と座席の番号を、劇場スタッフへ伝えるようにしましょう。
 

映画館で盗撮した場合の刑罰は?

映画の盗撮は、れっきとした犯罪です。映画を盗撮すると、2つの法律違反で逮捕される可能性があり、懲役と罰金が併科されることも考えられます。
 

映画盗撮防止法による罰則

映画の盗撮は、「著作権法」と「映画の盗撮の防止に関する法律」双方の違反に該当します。逮捕された場合は、図表1のとおり著作権法による罰則が適用されます。
 
図表1

民事的な罰則 ・差止請求
・損害賠償請求
刑事的な罰則 ・10年以下の懲役
・1000万円以下の罰金
※併科される場合あり

出典:デジタル庁 e-Gov法令検索「著作権法」より筆者作成
 
著作権法には、私的使用を目的とする場合にかぎり、著作者の許諾がなくても複製可能と第30条第1項で定められています。しかし、映画の盗撮には同項は適用されず、著作権法違反と映画盗撮防止法違反によって「盗撮」の刑罰の対象となります。
 

上映開始から8ヶ月後の盗撮にも罰則

日本で上映が開始された日から8ヶ月が経過すると、映画の盗撮の防止に関する法律は適用されなくなります。「8ヶ月」という期間は、映画の劇場公開期間が一般的に8ヶ月だからです。
 
8ヶ月が経過すれば、映画の盗撮の防止に関する法律は適用されませんが、著作権法には特例による複製可能な期間の定めはありません。そのため、公開から8ヶ月を経過した映画であっても、映画を無断で撮影すれば「著作権法違反」により罰則が科せられます。
 

映画館で盗撮に該当する行動とは?

映画館で盗撮行為とされるのは、映画関係者の許可なく、無断で録画や録音をすることです。映画館の上映作品だけでなく、無料の試写会で上映された映画も撮影すると盗撮になります。
 

映画館で盗撮を見つけたらスタッフへ報告する

映画の盗撮によって海賊版が横行し、映画業界へ大きな被害を与え続けたことから、2007年から、映画の盗撮の防止に関する法律が施行されました。
 
映画の上映中は、スマートフォンなど録画機能を持つ機材の使用は禁止されているため、盗撮していると思われる人物を発見したときは、上映終了後で構いませんので、迷わず映画館のスタッフへ報告してください。
 

出典

「映画館へ行こう!」実行委員会 パイラシーホットライン
デジタル庁 e-Gov法令検索 映画の盗撮の防止に関する法律(映画の盗撮に関する著作権法の特例)第四条二項
デジタル庁 e-Gov法令検索 著作権法 第五款 著作権の制限 第三十条一項(私的使用のための複製),第八章 罰則 第百十九条
文化庁 映画の盗撮の防止に関する法律について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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