息子の志望校は通信制高校なのですが、ホームページに制服を着ている生徒が載っていました。制服の購入は必須なのでしょうか? 授業料もあるので、さらなる出費は避けたいです

配信日: 2024.10.25

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息子の志望校は通信制高校なのですが、ホームページに制服を着ている生徒が載っていました。制服の購入は必須なのでしょうか? 授業料もあるので、さらなる出費は避けたいです
相談者Aさんの息子さんは、ある私立の通信制高校が志望校です。学校のホームページを見ると、制服を着用した生徒の写真が載っているとのこと。「通信制」というくらいだから、「学校に通わなくてもいいはずですよね? 制服があるのはなぜ?」と疑問に思っているとのことです。
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

通信制の高等学校とは?

通信制高校は教材をもとに、主に自宅等での学習がメインになります。そのため、全日制(週に5日間、登校する一般的な学校)の高校にはない、「添削指導」が通信制高校にあります。「添削指導」は自宅で課題を解いて提出し、指導を受けるというものです。
 
また通信制とはいっても、対面の授業がまったくないわけではありません。「面接指導」といって、学校に登校し、教室で受ける授業もあります。もちろん定期試験もあり、やはり登校して教室で受けることになります。
  
ある公立の通信制高校の場合、前期と後期、それぞれに面接授業が各12回、定期テストが各1回行われます。また、ある私立の通信制高校の場合は、年間13日間の面接授業を行うことになっています。これだけの登校のために、制服があるということなのでしょうか?
 
少子化の影響もあってか、全日制(週に5日間、登校する一般的な学校)の高校の数は減少傾向にあります。一方で、通信制の公立高校の数はわずかながら増加していますが、私立の通信制高校の数は大きく増えています。少子化にもかかわらず、学校の数が増えているということは「通信制高校は需要がある」と考えてよさそうです。

<平成22年>

全日制の高等学校:5116校
公立の通信制高等学校:72校
私立の通信制高等学校:137校

<令和2年>

全日制の高等学校:4874校
公立の通信制高等学校:78校
私立の通信制高等学校:179校

(文部科学省 高等学校通信教育の現状について「高等学校の学校数(公私別推移)」より抜粋)
 

通信制なのに「通う」学校もある?

文部科学省の同資料によると、広域通信制高校で7割近くの生徒に不登校の経験があります。不登校のほかにも、本人もしくは家庭に何らかの課題や事情を抱えている生徒が多い傾向にあります。
 
一方で、先述のとおり、通信制高校は自宅学習がメインです。ある公立の通信制高校は、「学習時間:年間500時間」です。つまり、計画的な自宅学習が求められるのです。
 
ですが、既述のように、本人や家庭に何らかの事情や課題を抱えている生徒が多いという事実があります。そこで、通信制でも「登校」を取り入れる学校があり、その場合には生徒は登校し、学校でサポートを受けながら学習を進めるのです。そのために制服があります。あるいは、制服はあるけれど「制服の着用は義務付けてない」という学校も多くあります。
 
なお、公立通信制高校では「登校して、サポートを受ける」機会を設けていません。文部科学省の同資料によると、令和元年の公立通信制高校の退学者が全生徒のうち8.2%なのに対し、私立は4.7%という調査結果は、こうした学校制度の特徴のあらわれかもしれません。
 
また、私立の通信制の場合、もう一つ特徴があります。これは必修ではなく選択ですが、「美容(例えばネイル)」や「進学準備」などの選択コースも設けられています。
 

授業料

ひと口に通信制高校といっても、私立の場合、授業料等は学校によって異なってきます。
 
既述のとおり、本人もしくは家庭に何らかの課題や事情を抱えている、つまり多様な生徒が多数入学します。そのため、私立でも多様なコースが設けられています。多様なコースとは、「1週間当たりの登校日数」に違いがあります。
 
なお、同じ「毎日登校する」では全日制よりも通信制のほうが安いですが、通信制でも選択コースを履修することになれば、全日制よりも高くなります。
 
通信制高校でも、国の就学支援を受けることができます。ぜひ一度、確認してみましょう。
 

出典

文部科学省 高等学校通信教育の現状について
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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