シェアリングエコノミーが持つ、5つの領域とは
配信日: 2019.01.22 更新日: 2019.07.03
自動車をシェアしたり、民泊のように宿泊施設として自宅を提供したり、洋服やバッグをシェアするなど、モノやサービスの多くの分野で、所有から共用・利用へのシフトが進んでいます。欧米を中心に発展してきましたが、日本でも2015年度には398億円だった市場規模が、2020年度には967億円にまで拡大することが予測されています。
このシェアリングエコノミーは、私たちのライフスタイルや、消費行動、経済活動にも影響をおよぼし始めています。コストを抑えることができるので、家計にもやさしいと言えるでしょう。今回は、このシェアリングエコノミーを勉強し、その中でも家計に役立つサービスをみてみましょう。
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
シェアリングエコノミーには主に、5つの領域があります
■モノのシェア
衣類など、身の回りの余ったモノや不要なモノを貸したり、売買したりする領域。身近なサービス業者としては、メルカリやエアークローゼットなどがあります。
■空間のシェア
民泊のほか、会議室や集会場、個人の駐車場などのスペースを空いている時間だけ貸し出す領域。
■移動のシェア
自動車のシェアや相乗りなどで、世界的に最も浸透しているサービス。
■スキルのシェア
ベビーシッター、家事代行など個人の保有するスキルを必要な人に提供する領域。
■お金のシェア
クラウドファンディングなど、事業のアイデアに対して不特定多数の人からお金を集める領域。
家計にやさしいシェアリングエコノミー
上記で紹介した5つの領域の中で、今回は、カーシェアリングなどの「移動のシェア」について、3つの側面から紹介します。ぜひ家計に役立ててもらえるとうれしいです。
■カーシェアリング
カーシェアリングの形態としては、タイムズカープラスや、カレコなど、企業がサービスを提供するものと、個人間で貸し借りするものの、2つがあります。
前者については、会員登録し、必要な時に必要なだけ、規定の料金を支払うことで車を利用できます。駐車代や保険、税金、車検代などが節約できるので、家計の負担が軽減できます。後者は、借りる側には前者と同様のメリットがありますし、貸す側は、副収入を得られるメリットがあります。
■ライドシェアー
国内では、ドライバーが有料で利用者を送り届けるタクシー的な利用は、制限されています。ただし、ドライバーと同じ方向や目的地への「相乗り」は認められており、移動にかかる実費を同乗者で割り勘にするので、家計にもやさしいです。
自家用車がない人や運転免許を持ってない人、高齢者などが活用する例も見られます。なお、海外では、「Uber」をはじめとする配車サービスが発展していますので、海外旅行や海外出張時に活用しても良いと思います。
■シェアサイクル
シェアサイクルとは、必要な時に借りて、行った場所で返却できる自転車のシェアサービスです。ドコモやソフトバンクなど大手が参入してきており、日本においてもだんだんと普及してきているようです。
シェアサービスには、家計にやさしいというメリットもありますが、貸す側と借りる側で、トラブルが起きるなどの問題もありますので、活用する際には、契約事項をよく確認することも必要です。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、訪日外国人も増加します。今の日本では、外国で生まれて、発展してきたシェアリングエコノミーの代表的なサービス「Uber」が、タクシー業界の反対などもあり、広がっていないのが現状です。
訪日外国人の増加により、こういった現状が変わり、シェアリングエコノミーが拡大、普及される可能性があります。今後、注意点を確認しつつ、さらにお得なサービスが出現すれば活用してみると良いでしょう。
出典:
総務省「平成30年度版情報通信白書」第5節 シェアリングエコノミーの持つ可能性
経済産業省 資料シェアリングエコノミービジネスについて
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー