子どもが大きくなり「フィット」では手狭になってきました。「ステップワゴン」に乗り換えたいのですが、“維持費”はどれほど差が出ますか? 今は30万円ほどです
配信日: 2024.10.31
しかし、広さや快適さが向上する一方で、維持費がどれくらい違ってくるのか気になる人もいるでしょう。本記事では、ガソリン車のフィット(BASIC)とステップワゴン(SPADA)を比較し、税金や保険料、ガソリン代、メンテナンス費用など維持費の差を見ていきます。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
フィットとステップワゴンの税金の違いは?
税金面では年間で4100円差がつきます。
自動車にかかる税金には主に自動車税と自動車重量税がありますが、自動車税はそれぞれ年間3万500円で違いがありません。どちらも排気量が1リットル超1.5リットル以下に収まっているからです。
差がつくのは自動車重量税で、新車登録から12年目までは車両重量0.5トンごとに4100円の税額がかかります。フィットは1080キログラムであるため年間1万2300円に対して、ステップワゴンは1740キログラムであるため年間1万6400円と4100円の差がつきます。
自賠責保険・任意保険料
自動車にかける保険には、強制保険とも呼ばれる自賠責保険と任意保険がありますが、自賠責保険の保険料はどちらの場合も同じです。2年間で1万7650円、年間8825円かかります。
任意保険は、保険会社、年齢、等級、補償内容などで大きく変わってくるため、一概にいくら違うとは言えません。目安として一例を挙げると「37歳、15等級、ブルー免許、日常・レジャー用途、車両保険つき」の保険料を損保ジャパンの簡易見積もりを使って比較します。
フィットは年間7万7316円、ステップワゴンは年間8万1360円となり、差額は約4000円です。ステップワゴンのほうが本体価格は高いため、保険料も割高となるのです。
ガソリン代の差額 これが最も大きい?
維持費の中で最も大きな差が出るのがガソリン代です。フィットのカタログ燃費(WLTCモード)は1リットルあたり18.7キロメートル、ステップワゴンは1リットルあたり13.7キロメートルです。カタログ燃費通り走ると仮定し、ガソリン代が1リットル170円、年間走行距離が5000キロメートルの場合の年間のガソリン代を計算してみます。
フィット:年間5000キロメートル÷18.7キロメートル(1リットルあたり)×1リットル170円 = 約4万5500円
ステップワゴン:年間5000キロメートル÷13.7キロメートル(1リットルあたり)×1リットル170円 =約6万2000円
この結果、ガソリン代はステップワゴンのほうが年間約1万6500円多くかかることが分かりました。燃費の差は、長期的に見ると大きな影響を与えるため、乗り換えを検討する際の重要なポイントです。
メンテナンスパックの金額の違いを比較
次に、定期点検などのメンテナンス費用について見ていきましょう。
例えば、Hondaの定期点検パック「まかせチャオ」の2年コース(半年点検2回、法定12ヶ月点検、車検のセット)を、Honda Cars千葉ではフィット12万8730円、ステップワゴンは13万6110円で提供しています。オイル交換と2回のオイルフィルター交換、そのほかの消耗品がパックとなったサービスです。
差額は2年間で7380円、1年間で3690円の差がつきます。
ただし、タイヤ交換やバッテリーの交換、ブレーキパッドの交換などは別途費用がかかります。車が大きい分、ステップワゴンのほうがそれらのパーツの交換費用は高くなる可能性があり、メンテナンス費用の差額はこれ以上になるかもしれません。
ステップワゴンの維持費は安くない! 家計と相談しながら車を選ぼう
あくまでも、年間走行距離5000キロメートル、「37歳、15等級、ブルー免許、日常・レジャー用途、車両保険つき」という条件の任意保険に入った場合の概算にはなりますが、フィットからステップワゴンに乗り換えることで、年間約2万8000円維持費が増えることになります。
もちろん、年間走行距離が増えればガソリン代の差がより広がりますし、ステップワゴンのほうが整備費用は割高となることが予想されるため、場合によってはこれ以上の差額となるでしょう。
また、そもそも本体価格で約170万円の差がある車なので、10年間で乗り換えるとした場合、購入時点で1年あたり17万円ほどステップワゴンのほうが費用負担が大きいということも考えておくべきです。
今の維持費で家計がギリギリという場合は、フィットを使いつつ、たまにレンタカーで大きな車を借りたほうが良いかもしれません。
出典
千葉県 令和6年度自動車税種別割税率及び月割税額早見表
国土交通省 令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士