更新日: 2024.11.09 その他暮らし

隣家の「木」が庭に侵入し困っています…剪定をお願いしても対応してくれず、もう勝手に切ってしまってもいいでしょうか?

隣家の「木」が庭に侵入し困っています…剪定をお願いしても対応してくれず、もう勝手に切ってしまってもいいでしょうか?
隣の家の庭に植えてある木の枝が伸びて、自分の家の庭まで侵入してきていることに気づいた場合、どのように対処すればよいのか悩む人もいるでしょう。
 
侵入してきている枝から大量の落ち葉が出たり、自分の庭を使用するにあたって邪魔になっていたりすることがあれば、早めに剪定(せんてい)をお願いしたいものです。
 
本記事では、隣の家の木が自分の庭に侵入してきた場合の対処法について、剪定費用の負担も含めて詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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隣の家の木が自分の庭に侵入してきた場合は勝手に切ってもよいのか?

隣の家の木がこちらの庭に侵入してきていることに家主が気づいていないようであれば、直接お願いして剪定してもらうことになるでしょう。
 
しかし「剪定をお願いしても聞いてくれない」「隣は空き家なので持ち主がどこにいるか分からない」などの理由でそのままになっていることもあるかもしれません。その場合、侵入されている側が勝手に木や枝を切ってもよいのか迷うこともあるでしょう。
 
民法第233条には「土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる」と記載されています。つまり、木の所有者である隣人に切除するよう依頼することは可能ですが、自分で勝手に切ることはできないと考えてよいでしょう。
 
隣地の木は隣人の所有物なので、許可なく勝手に切ってしまうと損害賠償を請求される可能性もあります。
 

対応をお願いしても剪定してもらえない場合の対処法

問題は、剪定するようお願いしたにもかかわらず、木の所有者が対応してくれない場合でしょう。このケースについては令和5年4月に民法が改正され、次の場合には自分で木を切ってもよいことになりました。


・竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。
・竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
・急迫の事情があるとき。

ここでいう「相当の期間」についてですが、東京都国分寺市の公式ホームページでは「事案によりますが、基本的には2週間程度と考えられます」と記載されています。
 

剪定にかかった費用は誰が負担するのか?

庭に侵入してきた隣地の木が自分で切れる程度のものであれば、ノコギリや剪定ばさみなどの道具さえ持っていれば無料で剪定できるでしょう。しかし、高さがある木や周辺に建物や電線がある木を切る場合は、業者に依頼した方が安心です。
 
庭木の剪定はホームセンターや剪定業者などに依頼できます。費用について確認するために、数社の料金を例に挙げてご紹介しましょう。


【ホームセンター】※1本あたりの費用

・高さ0~3メートル未満:4000円(税込み)
・高さ3~5メートル未満:8000円(税込み)
・高さ5~7メートル未満:2万円(税込み)


【剪定業者】※1本あたりの費用

・高さ0~2メートル未満:5500円~(税込み)
・高さ2~4メートル未満:8800円~(税込み)
・高さ4~5メートル未満:1万6500円~(税込み)
・高さ5~7メートル未満:2万4200円~(税込み)

剪定にかかった費用については、基本的には木の所有者が負担することになります。そのため、自分で業者に依頼して剪定してもらった場合は、かかった費用を隣人に請求できると考えてよいでしょう。
 

依頼しているにもかかわらず木の所有者が相当の期間対応してくれない場合は、自分で切ってもよいことになっている

隣の家の庭に生えている木が自分の家の庭に侵入してきている場合、剪定するよう木の所有者に依頼することはできますが、基本的には勝手に切ることはできません。
 
しかし、民法の改正により、木の所有者が相当の期間対応してくれない場合や、所有者がどこにいるか分からない場合などは、自分で切ることが認められるようになりました。
 
その場合、剪定にかかった費用は基本的に木の所有者に請求できると考えられるため、その点も含めたうえでどのように対処すべきか考えてみるとよいでしょう。
 

出典

e-GOVポータル法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第二編 物権 第三章 所有権 第一節 所有権の限界 第二款 相隣関係 第二百三十三条(竹木の枝の切除及び根の切取り)
東京都国分寺市公式ホームページ 公害・害虫 【民法改正】越境した竹木の枝の切取りルールの変更
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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