救急車が一部地域で「有料化」されたと聞きました。「7700円」かかる場合もあるそうですが、請求されるのはどんな場合でしょうか…?
配信日: 2024.11.11
本記事では、救急車が有料になった背景や有料化の条件などについて解説するので、気になる人は参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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救急車有料化は三重県松阪市でおこなわれている
救急車有料化は三重県松阪市で、病院と地域の医院・診療所等の機能分担の推進と地域の救急医療を守るために開始されました。令和6年6月1日(土)午前8時30分以降から、松阪中央総合病院・済生会松阪総合病院・松阪市民病院の3つの病院が対象でおこなわれています。
救急車を利用して病院に行った際に、入院に至らなかった場合は7700円(税込)が選定医療費としてかかります。選定医療費は原則として救急の患者は対象外ですが、入院しない軽症の場合は対象になるので注意する必要があります。
しかし、すべてのケースにおいて救急車有料化が適用されるわけではなく、以下の場合は対象外です。
●紹介状持参の人
●入院に至った人
●公費負担医療制度の対象の人
●災害により被害を受けた人
●労働災害、公務災害、交通事故
●医師の判断による
これらの場合は、入院に至らなくても救急車を呼んだことによる選定医療費はかかりません。
ただし、入院しない場合などに選定医療費がかかることがあるため、実際は急を要するにもかかわらず、救急車を呼ぶことをちゅうちょしてしまう懸念もあります。三重県では、自分で判断が難しい場合は、松阪地区救急相談ダイヤル24などの利用をすすめています。
救急車有料化に至った背景とは?
消防庁によると、全国で救急車の出動件数が増えているため、救急車が現場に到着するまでの平均時間が10分を超えています。119番通報から病院収容までの時間も延びており、平成24年時点で約39分、令和4年時点では約47分と時間が遅くなっています。
例えば、心肺停止のときなどは1分1秒を争うので、救急車の到着時間が遅くなっているのは大きな問題です。
また、近年では救急車が現場に向かった後に、緊急性が低いと判断したケースでは搬送をしないこともあります。本当に緊急性が高くて搬送が必要な人を助けるためにも、重要度が高い人を優先的に搬送することが必要です。
医療機関は機能と規模によって求められている役割が違うので、心配だから大きな病院に行こうとするのではなく、かかりつけ医が必要と判断した場合は大きな病院に行くなどの機能分担・相互連携が求められます。
救急車よりもタクシーで行ったほうが費用は抑えられる?
救急車有料化が行われている地区では、救急車よりもタクシーで行ったほうが費用は抑えられる可能性があります。ただし、具体的な費用は病院までの距離次第です。
その時の状況や体調によりますが、本当に緊急性が高い場合は救急車を呼んだほうがいいでしょう。救急車ならば移動中にもある程度の対応を受けられることがあります。
自分では、緊急性が高いかどうかを判断することが難しいかもしれません。その際は、総務省消防庁からためらわずに救急車を呼んでほしい症状が紹介されているので、参考にしてください。
それでも判断が難しい場合、近くの救急相談窓口や、消防庁が提供している全国版救急受診アプリ「Q助」を利用して判断してください。また、#7119の電話相談窓口「救急安心センター」事業を実施している地域も増えており、相談できます。
まとめ
三重県松阪市では救急車有料化が始まりました。ただし、すべてのケースにおいて有料化されるわけではなく、軽症で入院する必要がないなどの条件が決められています。また、今後は各地で有料化が進む可能性もあります。
救急車は人命を守る重要な役割を持っています。軽症での利用は避けるべきですが、本当に必要なときにはためらわずに救急車を呼ぶ判断も大切です。
出典
松阪市 三基幹病院における選定療養費について
政府広報オンライン もしものときの救急車の利用法 どんな場合に、どう呼べばいいの?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー