更新日: 2024.11.16 その他暮らし
アルバイトですが、仕事を休みがちで「月収14万円」です。しばらく「生活保護」を受けて休みたいのですが、仕事を辞めれば受けられるでしょうか?
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
生活保護の概要と受給するための条件
生活保護は、さまざまな理由により生活に困窮している人々に対して、生活保護法により憲法が定める健康で文化的な最低限度の生活を保障し、積極的にそれらの人々の自立した生活ができるよう援助する制度です。
生活保護を受けるためには、手持ちの資産を活用(売却)したり、仕事をしたり、生活保護以外の制度によって得られる手当を活用し、親族などから援助を受けても生活ができないと判断された場合に限り受給できます。生活保護は、人が利用し得る全ての資産を活用し、それでも厳しい場合に受けられ、いわば「生活するために必要な費用を国から受けられる最後のとりで」として活用されています。
体調不良を理由に仕事を辞めた場合、受給は可能?
今回の相談では、体調不良などによってアルバイト勤務ができない場合に生活保護を受けられるのか、ということが焦点となります。いわゆる生活保護における「能力の活用」ができない状態であると判断されれば、生活保護費を受給することが可能ではないかと推察されます。
しかし、勤労できない状態であると判断されるためには、医師の診断書といったような状態を証明できる書類を福祉事務所に提出する必要がありますから、居住の地域を管轄する福祉事務所に問い合わせましょう。
支給される保護費については、対象者(世帯)の年齢や居住地域、世帯人数に応じて必要最低限とされる生活保護費が算出されます。
例えば、3人世帯(33歳、29歳、4歳)の場合は東京都区部等なら16万4860円、地方郡部等なら14万5870円が最大で支給される金額です。高齢者単身世帯の場合、東京都区部等なら7万7980円、地方郡部等なら6万8450円です。今回の相談者が東京都居住の3人世帯、世帯収入が14万円であるとすれば、差額の2万4860円が支給される計算となるでしょう。
生活保護を受給するための流れ
次に生活保護を受給する際に必要な手続きを簡単に確認してきましょう。
まず、生活保護制度を利用したい場合は、居住の地域を所管する福祉事務所の生活保護担当窓口に行きます。生活福祉資金、各種社会保障施策等の生活保護以外の制度の活用についても検討します。
次のステップとして、生活保護の申請をします。申請すれば生活保護受給が決定されるということではなく、家庭訪問をはじめとした実地調査や、預貯金・保険・不動産等の資産があるかなどが調査されます。扶養義務者による援助が受けられるか、現状の収入についても調査をされます。また、働くことができるのかということも確認されます。あらゆる可能性を確認したうえで、生活保護受給の可否が決められるのです。
働くことができないのであれば、生活保護受給の相談を
今回の相談のように、体調を理由に働くことが困難で、治療のために仕事を休んだり辞めたりしている間の生活費を確保するために、生活保護受給を検討することは決して悪いことではありません。
受給するためにはさまざまな要件をクリアする必要はありますが、健康に働くための準備期間として生活保護制度を活用するのは1つの方法です。まずは福祉事務所に相談に行くことをお勧めします。
出典
厚生労働省 生活保護制度
厚生労働省 「生活保護制度」に関するQ&A
東京都福祉局 生活保護制度とはどのような制度ですか。
執筆者:宇野源一
AFP