病院でマイナ保険証をうまく連携できないと「10割負担」になると聞きました。機械音痴なので、やはり普通の「健康保険証」を使い続けるしかないのでしょうか…?
配信日: 2024.11.23
本記事では、マイナ保険証の概要や、窓口でマイナ保険証の連携がうまくできないときの対処法を解説します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
マイナ保険証とは
マイナ保険証とは、2021年から利用が始まった「マイナンバーカードの健康保険証利用」のことです。マイナンバーカードに健康保険証のデータをひも付けて、健康保険証として利用できるようにしたものです。
2024年12月2日からは、新たに健康保険証が発行されなくなります。これに伴い、マイナンバーカードを健康保険証として利用することを基本とした制度に移行します。
マイナンバーカードを健康保険証として利用するには、事前に利用者登録を済ませる必要があります。登録が完了すれば、医療機関や薬局で、カードリーダーにマイナンバーカードをかざすことで健康保険証として利用できます。
マイナ保険証で10割負担を避けるには?
マイナ保険証の連携がうまくできなければ、窓口で10割負担になってしまうのではないか、と不安に思う人もいるかもしれません。
実際に、窓口で10割負担になる事例が発生しています。全国保険医団体連合会が1万2000を超える医療機関を対象に行った調査によると、約70%の医療機関がマイナ保険証やオンライン資格確認の際にトラブルが「発生した」と回答しています。さらに、トラブルがあった医療機関のうち約10%で、いったん10割(全額)を請求したケースがあることも報告されています。
一方で、窓口で10割負担とならないように対策も設けられています。まず、受付でマイナ保険証が読み取れなかったとしても、スマートフォンでマイナポータルにアクセスすることで、自分の保険情報を確認できます。その画面を提示すれば医療機関は保険証の情報を確認できるでしょう。
また、初診の場合は被保険者資格申立書を見せる、再診の場合は過去の受診時の資格情報を確認をしてもらう方法があります。保険が適用され、窓口での10割負担を回避できます。
ほかにも、マイナンバーカードと健康保険証をひも付けた後に、保険資格の情報をスマホにダウンロードして、提示できるようにしておくことも有効です。
マイナ保険証の利用を検討しよう
マイナ保険証を利用することで、データに基づくより良い医療が受けられたり、確定申告のときに医療費控除が簡単にできたりと、多くのメリットを得られます。
マイナ保険証を使うのは難しいと感じるかもしれませんが、使い方を丁寧に解説しているサイトなどを見る、病院の職員に聞く、などして挑戦してみてはいかがでしょうか。窓口でマイナ保険証がうまく連携できなくても、10割負担にならないような対応策もあります。
有効期限内であれば今までの健康保険証を使い続けることもできますが、早い段階でマイナ保険証に慣れておくことをおすすめします。これを機にマイナ保険証の利用を検討してみてくださいね。
出典
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
マイナポータル マイナンバーカードの健康保険証等利用がはじまりました。
デジタル庁 よくある質問:マイナンバーカードの健康保険証利用について
全国保険医団体連合会 5月以降のマイナ保険証トラブル調査(1万2700医療機関) 88%が保険証「存続を」 トラブル70%が経験
執筆者:山田麻耶
FP2級