更新日: 2024.11.27 その他暮らし
青春18きっぷの利用が「連続3日・5日」に!? フルで使うなら「弾丸旅行」するしかない? 本州を縦断する場合でシミュレーション
本記事では、今季リニューアルの内容やその影響を解説し、それをもとにした連続使用による本州縦断プランのシミュレーション、そして新幹線との料金比較をしていきます。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
青春18きっぷが冬季も発売! 内容のリニューアルとは?
これまでの青春18きっぷは、5日分または5回分の利用ができ、「連続した日」でなくても、好きな日を選んで使える柔軟なルールが特徴でした。例えば、「1日目に移動、2日目は観光や宿泊、3日目にゆったり帰宅」といった形で、日を空けて利用することが可能となっていたのです。
しかし、今回のリニューアルでは、連続した「3日間」あるいは「5日間」の利用に制限されています。そのため、従来のように青春18きっぷを1日使って移動し、翌日は観光や休息に充て、さらに別の日に再度使用する、といった柔軟な使い方が難しくなっているのです。
仮に3日間の旅行をし、2日目は移動せず旅館でゆっくりするという行程を組んだ場合、今までは移動の1日目と3日目だけが「きっぷの使用日」となっていましたが、今回は連続した3日間が「きっぷの使用日」となるので、移動していない2日目も「きっぷの使用日」としてカウントされることになります。
つまり、新ルールでは連続した「3日間」あるいは「5日間」の期間内で使用しなければならず、その期間を超えたら使用していない日があっても、きっぷは無効になってしまいます。
本州を横断したら? シミュレーションしてみた
では、このリニューアルされた青春18きっぷを使って、青森から山口まで本州を縦断する場合、どのような旅程が可能なのでしょうか。3日間プランと5日間プラン、それぞれでシミュレーションしてみました。
1日目・青森から仙台へ(移動のみで約5~6時間。仙台に宿泊)
2日目・仙台から名古屋(観光時間は短めで移動中心。名古屋に宿泊)
3日目・名古屋から山口へ(終日移動中心)
1日目・青森から仙台へ(観光時間を確保しつつ移動。仙台に宿泊)
2日目・仙台から東京へ(観光地をいくつか訪問。東京に宿泊)
3日目・東京から名古屋へ(観光や食事も楽しむ。名古屋に宿泊)
4日目・名古屋から広島へ(観光時間を追加しつつ移動。広島宿泊)
5日目・広島から山口へ(のんびり移動して観光)
5日間プランでは、各地で観光を楽しむ余裕がありますが、3日間プランでは、ひたすら移動が中心となり、観光時間が大幅に制限されます。ゆったり観光を楽しみたい人には、5日間プランが適しているでしょう。しかし、いずれも従来の青春18きっぷを利用していた時と比べると弾丸旅行となっていることは否定できません。
新幹線と比較するとどれだけお得?
次に、新幹線と料金の差を比較してみましょう。青森から山口まで新幹線で移動する場合、新青森駅から出発して東京駅を経由し新山口駅を目指すことになりますが、この片道料金は3万3410円かかります。これは新幹線のみの価格ですので、ここからさらに観光地にでかけようとすると、別途きっぷ代が必要となります。
一方、青春18きっぷの3日間分の価格は1万円、5日間分は1万2050円です。この差額を考慮すると、新幹線に比べて青春18きっぷは非常にお得といえます。ただし、新幹線ならば、新青森~新山口間を約8時間で移動できるため、時間を優先したい人には新幹線のほうが「タイパがいい」といえるかもしれません。
弾丸旅行になるかも? 旅行スタイルの変化
新しいルールの影響で、「青春18きっぷのメリットを最大限生かしたい」と考える場合、従来と比べて旅行のスタイルは大きく変化するでしょう。観光地をじっくり巡る従来の使い方は「損」になる可能性があるため、「短期間で広範囲を巡る」という弾丸旅行が主流になるのかもしれません。
「3日間」あるいは「5日間」という限られた日程をより有意義に利用するためには、これまで以上に計画性をもった旅の行程にする必要があるでしょう。時間を節約するために新幹線を利用するか、それとも青春18きっぷでお得に楽しむか、旅のスタイルに合わせて選んでみてください。
出典
JRグループ 「青春18きっぷ」「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」 の発売について
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級