更新日: 2024.11.28 その他暮らし
子どもの習い事の「月謝」は新札にすべき?「折り目のついたお札」はマナー違反なの? ご祝儀・香典の場合もあわせて確認
では、月謝を支払う際には、どのような配慮が必要なのでしょうか? 今回は、月謝を渡す際のお金のマナーについて見ていきましょう。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
結婚式に新札、香典に折り目のついたお札には意味がある
日本では、ご祝儀には新札を、香典には折り目のついたお札を用意することがマナーとされています。
諸説ありますが、ご祝儀に新札を用意するのは「新しい門出を祝いたい」「お祝いのために準備を整えていた」という気持ちを表すためです。新札の入手先は銀行の窓口というのが一般的で、平日の昼間しか対応していないため、わざわざ仕事を抜け出して交換に行くという人もいるかもしれません。
一方、葬儀の香典には、あえて折り目のついたお札を使うのがマナーとされています。これは、「急なできごとで準備できなかった」という意味合いを込めた配慮です。
このように、お祝いごとや弔事ではお札の状態に意味が込められています。気持ちにそったお札を用意するのが良いとされているのです。
月謝を渡す際に新札である必要はない
習い事の月謝は、結婚式や葬儀のような特別な場面とは異なり、日常的な支払いの1つです。習い事の種類によっては「新札がマナー」とされている場合もあるようですが、基本的に新札を用意する必要はありませんし多少の折り目も許容されます。
しかし、あまりにも汚れていたり、破れていたりするお札は避けたほうが良いでしょう。新札でなくても、目立つ汚れがないものや、折れすぎていないお札を使うのが適切です。
また、子どもが月謝を支払う場合に、お札を裸のままで渡すのはマナー違反といえます。月謝袋があればそれを使い、なければシンプルな封筒に入れると丁寧です。こうした配慮をすることで、相手への気遣いが伝わるでしょう。
結婚式で新一万円札はNG?
最近の新札に関する話題として、新しい一万円札である渋沢栄一の肖像は「結婚式のご祝儀には不向き」とする意見が見られます。これは渋沢栄一が女性関係の多さで知られ、正妻以外にもたくさんの子を残したとされているからです。
株式会社トキハナが行ったアンケートでは、約3割の人が「新一万円札(渋沢栄一)をご祝儀に使うのはマナー違反と感じる」と回答しています。確かに、一部では問題と考える人もいるようです。しかし、今後一万円札は渋沢栄一のものに置き換わるため、ご祝儀用に福沢諭吉の新札を用意し続けるのは難しくなります。
そのため、今後マナーとして一般化するとは考えにくいですが、こういった新たな考え方も出てくるということは知っておいても良いかもしれません。
月謝に限らず人にお金を渡すときはマナーが大切
月謝に限らず、他人にお金を渡す際には、丁寧な気持ちと配慮を忘れないことが大切です。月謝の場合は新札にする必要はありませんが、相手が不快に思わないようなお札を選び、封筒や月謝袋に収めるといった基本的なマナーは守る必要があるのではないでしょうか。
きれいなお札を選び、表面を整えて丁寧に渡すなど、小さな気遣いが相手に好印象を与えることもあります。
習い事はお世話になる関係が長く続くことが多いため、こうしたちょっとしたマナーや気配りを大切にすることで、良好な関係を築くことにもつながるでしょう。
出典
株式会社トキハナ 渋沢栄一の新紙幣をご祝儀に使用することに関するアンケート(PR TIMES)
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士