更新日: 2024.11.28 その他暮らし
上司を助手席に乗せたら「苦しいから」とシートベルトをしてくれない! 警察に見つかったら「運転手」が違反になりますよね?「太っているから」で許されますか?
しかし、上司などにシートベルトをするよう伝えても拒否され、困っているという人もいるのではないでしょうか。本記事では、日本におけるシートベルト着用のルールを確認し、同乗者が着用してくれない場合の対処法を考えていきます。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
運転手にはシートベルトを着用させる義務がある
道路交通法第71条の3では「自動車の運転者は、座席ベルトを装着しないで自動車を運転してはならない」との規定に加えて、「自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席以外の乗車装置に乗車させて自動車を運転してはならない」と規定されています。
つまり、運転者には同乗者にシートベルトを着用させる義務があるのです。助手席に座る人がシートベルトをしておらず、座席ベルト装着義務違反で取り締まりを受けると、運転手に反則点数が1点付与されます。
反則金はありませんが、経済的な負担がないわけではありません。次回更新時にゴールド免許ではなくなるため、免許の更新料が高くなるのに加え、加入している自動車保険によってはゴールド免許に対する割引が適用できなくなり、保険料が高くなるといった負担が生じます。
安全のためはもちろん、自分のゴールド免許や優遇された保険料を維持するためにも、シートベルト着用を促す必要があるといえるでしょう。
シートベルトの着用が免除となることはあるが……
道路交通法施行令第26条の3の2第2項では、同乗者が以下に該当する場合、シートベルトの着用が免除されると規定しています。
・負傷や障害、または妊娠中であることにより座席ベルトを装着させることが療養上または健康保持上適当でない者
・著しく座高が高い、または低いこと、著しく肥満していること、そのほかの身体の状態により適切に座席ベルトを装着できない者
例えば、上司が著しい肥満体型でシートベルトが体に回らない、けがや病気でシートベルトの締め付けにより症状を悪化させる恐れがある場合は、着用が免除される可能性があります。
しかし、「著しい肥満」「適切に座席ベルトを装着できない」と規定されているため、単に少し太っていて苦痛に感じる程度では、免除とならない可能性が高いでしょう。
どうしてもしてくれないなら後部座席に乗ってもらうことも検討
シートベルトを着用しないことで運転手に影響が出ることを上司に理解してもらうためには、シートベルトの重要性について話すことが大切です。
シートベルトを着用しない場合、事故による死亡率が上がることに加えて、自分のゴールド免許が維持できなくなったり、保険料が上がったりする可能性があることを伝え、納得してもらうよう努めましょう。
どうしても着用してもらえない場合には、後部座席に移動してもらってもいいかもしれません。助手席での未着用は一般道でも違反点数がつきますが、後部座席ならば一般道であれば口頭注意のみで、違反点数は付かないとされています。
ただし、違反であることや、事故時の危険性が高いことに変わりはないため、可能な限りシートベルトを着用してもらうのが理想です。
シートベルト着用は大切
シートベルトの着用は、運転者自身が違反を避けるためだけでなく、事故が起きたときに身を守るためにも大切です。
着用が免除になる場合もありますが、シートベルトを着けることが双方にとってメリットであると理解してもらい、装着してもらうことが、トラブルを防ぐポイントになるでしょう。
出典
e-Gov法令検索 道路交通法
警視庁 交通違反の点数一覧表
e-Gov法令検索 道路交通法施行令
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士