更新日: 2024.11.29 その他暮らし
「義妹」が私たち夫婦の家がある土地に、3000万円の「注文住宅」を建てるそうです。夫や義両親は賛成なのですが、金銭面でトラブルは起こらないでしょうか…?
夫婦は広大な敷地内にある家に住んでいますが、そこに義妹(夫の妹)が同じ敷地内に家を建設する話が持ち上がっているようです。
同じ敷地内ということで、妻が「金銭面でのトラブルが起こらないか」と心配になる気持ちも分かります。本記事では、どのような点がトラブルの火種になり得るか、確認していきます。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
「誰が所有している土地に家を建てるのか」で変わってくる
今回の相談では「誰が土地を所有しているのか」ということが明確ではありません。土地の所有者が「相談者(あるいは相談者の夫)」、「義両親や親族」の場合に分けて、どのようなことが問題になってくるのか、相談者は反論できるのかについて確認していきます。
所有者が、相談者(あるいは相談者の夫)の場合
義妹が家を建てようとしている土地が相談者(あるいは相談者の夫)の所有だった場合、一定の手順を踏む必要があります。他人の土地に家を建てる場合は土地を「借りる」ことになりますから、所有者と賃貸借契約を結ぶ必要があります。
また、土地の使用料として、所有者に地代を払わなければなりません。今回のように義妹が3000万円の家を建てるのにローンを組む場合は、土地の所有者である相談者かその夫が金融機関に土地を担保提供するための契約を結ぶ必要があります。
このケースであれば、義妹が勝手に家を建てることを妻は止められる、ということになるでしょう。
所有者が、義両親や親族の場合
もし、義妹が家を建てようとしている土地が義両親や親族の所有だった場合、妻がいくら反対したとしてもそれを止めることはできないでしょう。義妹は義両親または親族が許可しているのであれば家を建てることができ、敷地内で同居しなければならない、ということになります。
考えられるトラブルとその対処法
相談者が反対しても夫や義両親が許可をして家を建ててしまった場合、これから起こり得るトラブルはどのようなことが想定されるのでしょうか。ここでは起こり得るトラブル例と対処法を考えていきます。
担保設定に関するトラブル
土地の所有者が相談者夫婦であり、かつ義妹の住宅ローンの担保として土地に抵当権を設定していた場合を考えます。義妹のローン返済が滞ると、金融機関は抵当権を設定している土地を売却するなどして現金化を図ります。
そうなると同じ土地に家を建てて住んでいる相談者にも影響が出る可能性があります。それを避けるためには、土地を分筆して義妹に購入してもらってから、そこに家を建てるという方法が有効です。
相続発生時のトラブル
土地の所有者が義両親名義で、そのまま家を建てた場合を想定してみましょう。仮に土地の名義人が義父で、その義父が他界した場合、土地の相続を義母と夫、義妹で行うことになります。
法定相続分は義母が半分、残った半分を夫と義妹で2等分(4分の1)することになりますが、この際に土地をどうするのかといったトラブルが起こる可能性が出てきます。そうならないためには、義父が健在のうちに土地を分筆し、義父から買い取るなど対策を講じておく必要があるでしょう。
トラブルを未然に防ぐためによく話し合おう
今回のように、同じ敷地内に別の親族の家が建ち、敷地内同居となるケースは、両親のちょっとした善意や兄妹仲から起こり得る話と言えるでしょう。
お金が絡んでくると兄妹仲がよくてもギスギスした関係になることも想定されます。そうならないためにも、不動産や相続実務に詳しい専門家などに相談してトラブルの芽を摘んでおくことが大切です。
執筆者:宇野源一
AFP