更新日: 2024.12.02 その他暮らし
祖母から「タンスに入ってた」と、聖徳太子の5000円札をもらいました。聖徳太子って「1万円札」じゃないんですか? 偽札なのでしょうか…?
昭和世代にとっては、「お札の顔といえば、聖徳太子」と結び付けられるほどなじみ深くても、平成以降の世代にとっては全く「ピン」とこないという人も多いでしょう。本記事では、そんな過去に流通していた「聖徳太子」の紙幣について解説していきます。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
聖徳太子のお札は何種類ある?
昭和に流通していた紙幣に詳しくない人でも、「聖徳太子」が紙幣の肖像画であったということは、なんとなく知っている人は多いのではないでしょうか。聖徳太子が肖像画として使われている紙幣といえば、「1万円札」というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実は多くの紙幣で聖徳太子の肖像画が採用されています。
聖徳太子が肖像画となっている紙幣は次の4種類です。
図表1
券種 | 発行開始日 | 発行停止 |
---|---|---|
一万円券 | 1958年12月1日 | 1986年1月4日 |
五千円券 | 1957年10月1日 | 1986年1月4日 |
千円券 | 1950年1月7日 | 1965年1月4日 |
百円券 | 1946年2月25日 | 1956年6月5日 |
日本銀行 その他有効な銀行券・貨幣 をもとに筆者作成
「聖徳太子」の紙幣以降は、紙幣の額によって肖像画が変えられているので、紙幣の肖像画を見て「パッ」と紙幣の種類がわかるようになっています。現代の感覚からすると、同じ財布に聖徳太子の1万円札と5000円札と1000円札が入っていたら、いくらデザインが異なるとはいえ、間違えてしまうのではないかと思ってしまいますね。
聖徳太子の5000円札は今も使えるの?
紙幣は、たとえ発行が停止されても、法令に基づく特別な措置がとられない限り紙幣として無効になることはありません。「聖徳太子の1万円札」は、現代の「渋沢栄一の1万円札」と同じ1万円として使用することができます。ただし、自動販売機やセルフレジでは旧紙幣に対応していないこともあるので注意が必要です。
コンビニ大手のセブン-イレブンでは、2024年6月20日から、お会計セルフレジ・セルフレジ・釣銭機にて、1984年発行の紙幣が利用できなくなっています。つまり聖徳太子の1万円札と5000円札が使えないのはもちろん、福沢諭吉(裏にキジ2羽が印刷された物)の1万円札、新渡戸稲造の5000円札、夏目漱石の1000円札はこれらのレジでの使用はできないのです。
対面であれば、旧紙幣でも受け入れてくれるところもあります。ただし、若い世代では旧紙幣を見慣れておらず、レジで「本物か偽物か」の判断ができない場合は、断られるケースも考えられるでしょう。
銀行に入金や両替はできる?
銀行では、有効なものであれば、旧紙幣や旧硬貨、記念硬貨まで入金や両替をしてくれます。ただし、ATMでは対応していないこともあるので、窓口で手続きを行うことをおすすめします。
また、旧紙幣の場合、紙幣の損傷具合によっては、有効な銀行券であるか鑑定するのに数日程度の時間がかかることもあります。紙幣が破れていたり、デザインが著しく擦り切れてしまっていたりするようなものを入金・両替したい場合は、時間に余裕を持って行くようにしましょう。
まとめ
「聖徳太子の紙幣と言えば1万円札」というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実は過去には5000円札、1000円札、100円札と数多くの紙幣の肖像画として採用されています。平成以降の世代からすると、現代は硬貨しかない「100円札」なんて偽札なのではと思う人もいるかもしれませんが、いずれも現在も有効な紙幣です。
しかし、自動販売機やセルフレジでは、旧紙幣に対応していないものもあるため、使いにくいと感じたら銀行で入金や両替をしてもらうといいでしょう。
出典
日本銀行 銀行券/国庫・国債 一万円券
日本銀行 銀行券/国庫・国債 五千円券
日本銀行 これまでに発行されたお札のうち、現在使えるお札はどれですか? 古いお札を持っていますが、現在も使えますか?
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級