更新日: 2024.12.03 その他暮らし

JRが「青春18きっぷ」のルール変更を発表! 毎年夫婦で「東京→名古屋」にきっぷ1枚で旅行してたけど、今年からは2枚必要?“ルール改定”の影響を解説

JRが「青春18きっぷ」のルール変更を発表! 毎年夫婦で「東京→名古屋」にきっぷ1枚で旅行してたけど、今年からは2枚必要?“ルール改定”の影響を解説
JRグループが発行する青春18きっぷのルールが変わることが分かり、鉄道ファンを中心に大きな話題になりました。残念ながら、「青春18きっぷが使いにくくなった」というネガティブな声が多いようです。
 
青春18きっぷがどう変わるのか、どのような影響があるのか、そしてほかにお得なきっぷがあるかを、青春18きっぷを使って夫婦で名古屋に旅行するケースを例に考えます。
浜崎遥翔

執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

2024年冬から青春18きっぷのルールが改定! 使いにくくなる?

青春18きっぷとは、JR全線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT(バス高速輸送システム)およびJR西日本の宮島フェリーが乗り放題となる切符で、以前は5日間のタイプのみ販売していました。青春18きっぷは、乗車する日を利用期間の中から柔軟に設定できる点が人気の理由の1つと言えるでしょう。
 
また、きっぷを複数人でシェアすることもできました。例えば1泊2日の旅行と2泊3日の旅行に分けて使うことができるほか、2人の旅行でそれぞれ2日分ずつ使い、残った1日分は後日使うといったことができたわけです。
 
しかし、2024年冬の青春18きっぷ(2024年11月26日から2025年1月8日まで販売、利用期間は2024年12月10日から2025年1月10日まで)からは、連続する日付での利用が必須で、複数人での利用することもできなくなります。
 
自動改札も使えるようになり、新たに3日間1万円タイプも設けられるなど改良点もありますが、全体的には「改悪」と捉える人が多いようです。
 

夫婦で名古屋に行く場合どうなる

夫婦で首都圏から名古屋に旅行に行く場合、今回のルール改定がどれほど影響するのかを考えてみます。
 
従来の青春18きっぷなら1枚1万2050円で首都圏から名古屋を往復できました。青春18きっぷを使って東京駅から名古屋駅まで行くには約6時間かかりますが、熱海や浜松などで途中下車し、観光を楽しみながら名古屋を目指すような旅もできたわけです。
 
さらに2人で往復して2日分を使うと4日分を消費し、1日分が残るので1人の日帰り旅行を別に楽しめます。
 
東京駅と名古屋駅を新幹線の自由席で往復した場合の料金は4万2240円(2人分)ですので、比べると青春18きっぷのお得さが実感できるでしょう。
 
しかし、これからは同様の使い方ができません。少なくとも3日間用の青春18きっぷを2人分用意する必要があるため、合計2万円かかります。従来より8000円近く余計にかかる上に、1日分が残ることもありません。
 
青春18きっぷを使わず、東京駅から名古屋駅まで在来線で往復するのに必要な運賃は、2人分で2万5520円です。新しい青春18きっぷを使っても一定の割引にはなるものの、以前のように大きな割安感はありません。夫婦旅行など、複数人で使う場合には以前より使いにくくなってしまったのです。
 

同様の使い方をしたいなら「秋の乗り放題パス」も検討を

夫婦で名古屋を往復したい場合は、旅行の季節に合わせて、「秋の乗り放題パス」のような券を検討するのも良いでしょう。
 
2024年の販売は終了しましたが、秋に発売される期間限定(2024年は販売期間が9月13日から10月18日まで、乗車期間は10月5日から10月20日まで)のきっぷで、価格は3日間(連続利用)7850円です。JR全線の普通・快速列車の普通車自由席、BRTおよびJR西日本の宮島フェリーが乗り放題です。
 
これを使えば東京駅と名古屋駅を往復するのに必要な費用は2人で1万5700円となり、ルール改定後の青春18きっぷよりも安く抑えられます。来年も販売されるかは不透明ですが、もし販売されれば代替案の1つとなるでしょう。
 

新しい青春18きっぷで新たな旅のプランを

青春18きっぷのルールが変わり、以前のような使い方が難しくなったのは事実ですが、5日間連続の旅程を考えている人にとっては、依然として魅力的な切符です。また3日間用の青春18きっぷが用意されたことで、使いやすくなり、旅行の選択肢が増えたと感じる人もいるでしょう。
 
連続日利用が条件となっても、日本各地を巡る旅の良いきっかけとして、新しい青春18きっぷの使い方を考えてみてはいかがでしょうか。
 

出典

JR東日本「青春 18 きっぷ」「青春 18 きっぷ北海道新幹線オプション券」の発売について
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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