単身赴任して2ヶ月、転入先で児童手当の手続きが必要だと知り、急いで申請したら「期限が過ぎた分は支給できません」とのこと。もうどうにもならないの?

配信日: 2024.12.10

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単身赴任して2ヶ月、転入先で児童手当の手続きが必要だと知り、急いで申請したら「期限が過ぎた分は支給できません」とのこと。もうどうにもならないの?
Aさんは、2ヶ月ほど前から単身赴任をしています。仕事の引き継ぎや家の片付けでバタバタしていて、児童手当の申請を忘れていたことに気づき、役所に申請にいったところ「期限が過ぎた分は支給できません」と言われてしまったそう。もうどうにもならないのか、児童手当の仕組みや申請の方法を解説します。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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「申請」は児童手当の支給を受けるための前提

児童手当は、日本に住む中学生以下の子どもを育てている家庭に対し、国が支給する手当のことです。子どもを育てる家庭の経済的負担を軽減し、子どもの健やかな成長を支援することを目的としています。児童手当を受給するには、見落としがちな大事なポイントがあります。
 
それは、「申請が必要」なことです。
 
子どもが生まれたら自動的に支給されるのではなく、児童手当を受け取るには、役所への申請が必要です。子どもが生まれたとき、転入・転出したときには申請を行う必要があります。申請が遅れると、遅れた分の支給は受けられなくなる可能性があります。忘れずに速やかに申請することが重要です。
 
さらに、受給資格を維持するために、毎年6月に、保護者の状況が変わっていないかを確認するための「現況届」という書類を提出する必要があります。
 

状況によっては救済措置が適用される可能性がある

前述のとおり、児童手当を受けるためには申請が前提です。支給は原則として、申請月の翌月分からになります。子どもが生まれた場合や、転居などで住所が変わった場合には速やかに手続きを行いましょう。申請が遅れた場合、遅れた分をさかのぼっての支給はされない可能性が高いです。
 
ただし、役所で「期限が過ぎた分は支給できません」と言われた場合でも、状況によっては救済措置が適用される可能性があります。
 

「やむを得ない事情」かどうか

単身赴任や引っ越しなどで申請が遅れた場合、自治体によっては「やむを得ない事情」として認められるケースがあります。
 
例えば、住民票を移したタイミングで一時的な混乱が生じた場合や、初めての転居手続き、突然の転勤命令による混乱で申請漏れが発生した場合などが挙げられます。
 
辞令など状況を説明できる書類などがあれば併せて持参し、詳細な状況を説明し、何らかの救済措置が適用されないか再度相談してみることをお勧めします。場合によっては、他の担当者に相談したり、上長に相談をお願いしたりしてみるのもよいかもしれません。
 

自治体の救済制度の確認

自治体によっては、独自の判断で遅れた分の支給を柔軟に対応してくれるケースもあります。特に子育て支援に積極的な自治体や、住民サービスに柔軟な対応をとるといわれている自治体では、状況によって例外的に支給が認められる場合もあります。この場合も、申請遅れになった経緯について丁寧に説明することが必要になるでしょう。
 

再審査や不服申し立ての検討

時間はかかりますが、自治体の判断に納得できない場合、決定通知から60日以内に「再審査請求」を行うことができます。再審査請求は、児童手当の支給を管轄する都道府県や市区町村に対して、最初の決定を見直してもらうための手続きです。多くの場合、自治体に再審査請求書を提出します。
 
再審査請求の結果に納得できない場合、または自治体が再審査を行わない場合には、再審査の結果通知を受け取ってから60日以内に上級機関に「審査請求」を行うことができます。提出先は、厚生労働省の地方厚生局(またはその支部)になります。
 
再審査請求や審査請求自体に費用はかかりませんが、書類準備のためのコピー代や郵送代などの費用は自己負担になります。
 

まとめ

以上のように、申請遅れによって支給されない児童手当については、事情を説明して理解してもらうか、再審査請求・審査請求という手続きを踏んで受け取ることができる可能性があります。
 
大事なことは、行政手続きは忘れないように慎重にすること、窓口に説明してきちんとしたコミュニケーションをとることが求められます。
 

出典

こども家庭庁 児童手当制度のご案内
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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