親が骨折で入院することに! 病院から「大部屋が満室だから、個室に入院してほしい」と言われたけど“差額ベッド代”はかかる? 病院都合なら支払い不要なの?
配信日: 2024.12.14
大部屋を希望していたとしても、「大部屋が満室であるため個室に入院してほしい」と病院都合で入院することになる場合もあります。この場合も差額ベッド代を支払わなければいけないのでしょうか?
そこで本記事では、差額ベッド代はいくらかかるのか、病院都合で個室に入院することになった場合に差額ベッド代を支払う必要があるのかについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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入院日数が長いと高額請求になることも
差額ベッド代は、患者のニーズに合わせてつくられた「特別療養環境室」を使用した際にかかる費用です。
「病床数が4床以下であること」「病室の面積が6.4平方メートル以上であること」「プライバシーの確保ができる設備を備えていること」「特別な療養環境として適切な設備であること」といった要件を満たせば、特別療養環境室となります。そのため、個室でなくても特別療養環境室という場合もあるので注意しましょう。
差額ベッド代は健康保険の対象ではないので、自己負担となってしまいます。差額ベッド代でかかった費用は2023年7月1日現在で、1日あたり1人部屋の場合だと平均8437円です。例えば、1人部屋に1ヶ月入院することになった場合、8437円×30日=25万3110円になります。
入院日数は医療の進歩によって減少傾向にありますが、骨折や精神疾患といったけがや病気は長期的な入院が必要なものもあります。1ヶ月以上の入院になればそれだけ大きな負担となるので、入院する際は医師の説明をよく聞き、入院費用についてもよく考えることが重要です。
差額ベッド代を支払わなくてもよいケース
事例のように病院都合で特別療養環境室に入院することになった場合は、「サービスの内容や費用についての説明を受けること」、「同意書にサインすること」の2つを満たすことが必要です。
事例のケースでは、入院の際に説明をしっかりと受け、納得したうえで同意書にサインした場合は差額ベッド代を支払わなければいけません。しかし、前記の要件を満たさない場合は差額ベッド代を支払わなくてもよくなります。
急な入院の時ほど冷静な判断が重要
特別療養環境室は、プライバシーが確保されているのでストレスが少なくないといったメリットがありますが、費用がかかってしまうのがデメリットです。
費用がかかることを理由に、できれば大部屋で入院したいという人は多いかもしれません。しかし、事例のように、病院都合で特別療養環境室に入院することになるケースも考えられます。
入院の際は費用面が気になるところですが、病院側から特別療養環境室のサービスや料金についての説明がなされ、患者が同意書にサインすることで、初めて差額ベッド代の請求が可能になります。
骨折や病気などで病院に行く場合は、急を要するだけでなく、精神的にも集中できないことも予想されます。しかし、そのような時ほど冷静な判断が必要です。
説明がないまま同意書にサインをしてしまうトラブルもあるようなので、入院する際は特別療養環境室についての説明を必ず受け、納得したうえで入院するようにしましょう。
出典
厚生労働省「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について
厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第591回)資料 主な選定療養に係る報告状況
厚生労働省「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」の一部改正について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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