大学の同級生5人と、毎年「青春18きっぷ」で長野から東京に旅行しています。今回のルール改定で「グループ旅行」が不可になるのでしょうか?
配信日: 2024.12.15
本記事では、青春18きっぷにおける変更と、利用時の注意点、また青春18きっぷ以外の電車旅のお得なきっぷを紹介します。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
2024年冬発売の青春18きっぷの変更点
2024年冬に販売される青春18きっぷで、改定された内容は図表1のとおりです。
図表1
従来のきっぷ | 2024年冬の変更点 | |
---|---|---|
きっぷの種類 | 5日分(1万2050円) | 5日間(1万2050円) |
3日間(1万円) | ||
きっぷの有効期間 | 利用期間中のうち、5日分 | 連続する5日間または3日間 |
改札利用 | 有人改札のみ | 自動改札利用可 |
JRグループ 「青春18きっぷ」「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」の発売について より筆者作成
きっぷは、従来は「5日分」の1種類でしたが、2024年冬のきっぷは、「5日間用」に加え、新たに「3日間用」が発売されています。ただし、従来のきっぷは利用期間内であれば、いつでも5日分使うことができましたが、今回のきっぷは「連続した」5日間あるいは3日間です。
例えば、12月10日にきっぷを使用すると、5日間のうちたとえ電車を利用しない日があっても、12月15日を迎えた瞬間にきっぷの有効期限は切れてしまいます。従来のように日にちを分けて利用することはできないので注意しましょう。
また、今まできっぷの利用は改札口で駅員にハンコを押してもらって構内に入場していましたが、自動改札機の利用ができるようになりました。駅員が不在の場合や窓口が混んでいてもスムーズに乗れるようになるのはうれしい変更点ですね。
グループ利用は不可能に
従来の青春18きっぷは、きっぷ1枚につき「5日分」の利用ができ、使用日時を自由に決められるだけでなく、一度に複数人で使うことも可能でした。そのため、きっぷを1枚購入し、それを5人で「5回分」として使用することもできていたのです。
ところが今回の改定によって、青春18きっぷの利用は「1枚につき1人」と制限が加えられました。これによって、1枚を複数人で利用することは不可能になりました。
また、大人の半額できっぷを購入できる小人は、今まで1枚購入してこども2人で利用できていましたが、こちらも不可能になります。今後、青春18きっぷを使って旅行したい場合は1人1枚ずつ購入が必要になることを覚えておきましょう。
青春18きっぷ以外のお得なきっぷ
東京への電車旅として、青春18きっぷ以外にもお得なきっぷがあります。週末限定にはなりますが、「東京フリーエリア」を使えば、連続した2日間は乗り降り自由で、東京までの普通列車の普通車自由席を往復で利用することができます。
また、特急券を購入すれば新幹線や特急列車も利用できるため、青春18きっぷよりも時間を有効利用した旅ができるでしょう。
2024年度分の販売期間は2025年3月28日までで、利用期間は2025年3月30日までの土休日となっており、有効期間開始日の1ヶ月前から前日まできっぷを購入することができます。
料金は出発地によって異なりますが、長野駅から東京に出掛ける場合のきっぷは6600円です。移動範囲が限られ、利用日は週末の2日間限定ではあるものの、旅の目的と合っていれば、青春18きっぷよりもお得に旅をすることができそうですね。
青春18きっぷを使う場合は変更点に注意してすてきな旅を
青春18きっぷの改定により、「使いやすくなった」「使いにくくなった」とさまざまな意見があるでしょう。従来のルールと大きく変わっているところがあるので、利用の際にはJRの公開している「利用方法」をよく読むことが大切です。
また、各鉄道会社ではそれぞれお得なきっぷを販売しています。青春18きっぷにこだわらず、旅の目的に合わせてきっぷを選ぶようにすると、旅の楽しみが広がるかもしれませんね。
出典
JRグループ 「青春18きっぷ」「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」 の発売について
JR東日本 首都圏週末フリー乗車券
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級