夫は年収600万円です。生活のために私もパートを始めたいのですが、息子が来年から高校生なので「授業料無償化」が気になります。私は年収いくらに抑えたらよいのでしょうか?

配信日: 2024.12.21

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夫は年収600万円です。生活のために私もパートを始めたいのですが、息子が来年から高校生なので「授業料無償化」が気になります。私は年収いくらに抑えたらよいのでしょうか?
教育費負担を軽減するための制度の一つとして、「高校などの授業料無償化」があります。この制度を利用することで、どのくらい教育費負担が軽減されるのか、また制度の対象となる条件はどのようなものか、本記事で解説します。
小山英斗

執筆者:小山英斗(こやま ひでと)

CFP(日本FP協会認定会員)

1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ

人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。

「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
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高校などの授業料無償化とは

「高校などの授業料無償化」とは、一定の所得要件を満たす家庭に対して、授業料に充てるための就学支援金を支給することで、国公私立問わず高校の授業料が実質無償となるようにする制度のことです。正式には、「高等学校等就学支援金制度」といいます。支援金額は、通う学校により異なってきます。
 

就学支援金の支給額

例えば定額授業料の公立高校における就学支援金の支給額は、全日制は月額9900円、定時制は月額2700円、通信制は月額520円となっています。 私立高校では、全日制・定時制・通信制ともに月額9900円に加えて、最大で月額2万3100円の加算額が支給されます。
 
また、単位制授業料の場合には全日制の公立高校で1単位あたり4812円が支給される、といったように、通う学校によって支給額は異なります。また、世帯年収によっても支給額の上限が変わってきます。なお、授業料が支給上限額に達しない場合には、授業料を限度として就学支援金が支給されます。
 
図表1は、支給月額を年額に換算したときの支給上限額のイメージです。
 
図表1

図表1

出典:文部科学省 高等学校等就学支援金制度リーフレット(概要版)
 
具体的な支給額は、以下の計算式によって求められた算出額に基づいて決まります。
 

(計算式)両親2人分の合計額
市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除の額※
 
※政令指定都市の場合は、「調整控除の額」に4分の3を掛けて計算
 
(支給額)
・算出額が15万4500円未満の場合、支給額は最大39万6000円
・算出額が15万4500円以上30万4200円未満の場合、支給額は11万8800円

 

就学支援金の支給対象となる世帯年収の目安

前項でまとめた支給額のイメージによると、年収590万円までが、私立高校などの支給加算がなされる対象の目安、910万円までが就学支援金の支給される対象の目安です。この目安の対象となる家族構成は「両親・高校生・中学生の4人家族で、両親の一方が働いている場合」です。
 
就学支援金の支給対象となるかどうかは、家族構成と所得によって異なってきます。図表2は、家族構成別の、支給対象となる世帯年収の目安です。また、支給額は私立高校(全日制)の場合です。
 
図表2

図表2

出典:文部科学省 高等学校等就学支援金制度リーフレット(概要版)
 
例えば、夫の年収が600万円で、妻と高校生・中学生のいる4人家族の場合、私立高校(全日制)に通う子どものために、就学支援金上限額の39万6000円の支給対象となるには、妻の年収を60万円以下に抑えることが目安となります。
 

都道府県によっては制度に一部違いもある

高等学校等就学支援金制度は全国共通ではあるものの、詳細は都道府県によって異なる場合があります。
 
例えば、東京都では2024年度から所得制限が撤廃され、都内の全ての高校で授業料の実質的な無償化が始まりました。 他の自治体でも、同様の動きや、就学支援金制度に上乗せする自治体独自の支援金制度があるケースもありますので、住んでいる地域の都道府県や各都道府県教育委員会のホームページなどを確認するようにしましょう。
 

まとめ

無償化によって教育費の負担は軽減されますが、世帯年収によっては、高校などの授業料負担が必ずしも軽減されるとは限りません。また、学校にかかる費用以外では、塾などに通う場合にも負担が生じます。
 
教育費以外にも、住居費用や老後のための貯蓄といった、その他にかけるお金とのバランスも考えながら、教育費をしっかり計画しましょう。
 

出典

文部科学省 高校生等への修学支援 支給期間 ・ 支給限度額一覧(令和2年4月以降)
文部科学省 高等学校等就学支援金制度リーフレット(概要版)
東京都 所得制限なく私立高校等の授業料支援が受けられます
 
執筆者:小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)

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