母が「空き家」の庭でなったみかんを「もったいないから」と取ろうとしていました。窃盗などにはならないのでしょうか…?
配信日: 2024.12.22
そのため、無断で果実を取る行為や空き家の敷地内へ侵入した場合は、罪に問われる可能性があるため気をつけましょう。この記事では、空き家のみかんを取る行為がどのように扱われるのかを詳しく解説します。
最後に空き家についても詳しくご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
空き家のみかんを取ると窃盗に該当する可能性がある
空き家とは住居として使用されていない建物ですが、居住者のいない状態が続いている場合でも土地や建物、庭の果樹などには所有者が存在します。そのため、空き家の庭で実ったみかんを無断で取る行為は、窃盗に該当する可能性があります。
「空き家だから問題ない」という考えは誤解なので、所有者の権利を侵害しないよう慎重に対応する必要があります。
空き家のみかんを勝手に取った場合の罰則
ここからは住居侵入罪や建造物侵入罪、窃盗罪に該当した場合にどのような罰則が科せられるのか見ていきましょう。
住居侵入罪と建造物侵入罪
管理されている空き家に無断で侵入した場合、「住居侵入罪」に該当する可能性があるため気をつけましょう。発覚した場合、刑法第130条により、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処されます。
明らかに空き家だと分かる廃墟に侵入した場合も刑法第130条の「建造物侵入罪」に該当し、「住居侵入罪」と同じ罰則が科せられるため注意が必要です。
みかんを取った場合の窃盗罪
空き家のみかんを勝手に取った場合は「窃盗罪」に該当し、刑法235条により10年以下の懲役または55万円の罰金に処される可能性があります。
さらに、民法89条により「天然果実が分離した際の所有権は木の所有者にある」と定められています。そのため、自分の敷地内にみかんが勝手に落ちてきた場合も、取ると違法行為に該当するおそれもあるため注意が必要です。
隣の空き家の枝がはみ出ている場合は自治体に相談する
空き家に侵入した場合、違法行為に該当しますが「空家等対策の推進に関する特別措置法」が設置されて以来、所有者の確認のために立ち入り捜査ができるようになりました。
「空家等対策の推進に関する特別措置法」とは空き家対策のための特別措置法で、適用されるのは管理が行き届いていない状態の空き家です。例えば、建物が崩壊しそうだったり庭の木の枝が敷地からはみ出したりしている場合は、所有者を見つけ出して助言や指導をする必要があります。
適切に管理されていない空き家は、火災やゴミ問題などで周囲に被害を及ぼしたり、倒壊のおそれなどの可能性があるため、特別措置法が設置されました。
このような調査ができるのは該当する自治体です。一般の人が侵入すると違法行為に該当する可能性があるため気をつけましょう。空き家の枝がはみ出したり果物が自分の敷地内に落ちてきたりする場合は、自治体に相談してみるといいでしょう。
空き家の庭で実ったみかんを取ると窃盗罪に該当する
空き家だと分かっていても勝手に庭のみかんを取る行為は「窃盗罪」となる可能性が高く、発覚すると55万円以下の罰金か10年以下の懲役が科せられるため注意が必要です。空き家に実っている果物が勝手に自分の敷地内に落ちてきた場合も、取って食べると違法行為に該当するため気をつけましょう。
さらに、空き家の敷地内に侵入する行為は「住居侵入罪等」に該当し、発覚した場合は10万円以下の罰金か3年以下の懲役が科せられる可能性もあります。空き家の敷地内に入れるのは所有者を調べるための調査員のみなので、何かトラブルがあったら自治体に相談してみてください。
出典
デジタル庁 e-GOV 法律検索
刑法(明治四十年法律第四十五号) 第百三十条、第二百三十五条
民法(明治二十九年法律第八十九号)第八十九条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー