70代の父が「限度額適用認定証」を提示し忘れ、病院の窓口で本来より多く支払っていました…。あとから提示すればお金は返ってきますか?
配信日: 2024.12.25
本記事では、限度額適用認定証の概要と提示忘れにおける対応方法を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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限度額適用認定証とは
健康保険に加入している場合、1ヶ月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担が高額になった際に、一定の金額を超えて支払った分は「高額療養費」として後日払い戻しを受けることができます。これを、「高額療養費制度」といいます。
「限度額適用認定証」とは、事前に医療費の自己負担が高額になることが分かっている場合などに、医療機関の窓口で保険証と一緒に提示することで、医療機関に支払う1ヶ月分の医療費が自己負担限度額までとなります。
認定証の申請とマイナンバーカードの利用
オンライン資格確認を導入している医療機関では、マイナンバーカードを健康保険証として利用登録している場合、窓口で提示し「限度額情報の表示」に同意することで限度額適用が可能です。
オンライン資格確認を導入していない医療機関や、加入している健康保険でマイナンバーカードの登録がない場合などは、従来通り「限度額適用認定証」を事前に申請し、交付を受ける必要があります。なお、限度額適用認定証には有効期限があり、更新手続きも必要になることがあるため、注意が必要です。
70歳以上の方の自己負担限度額
厚生労働省によれば、70歳以上の方の毎月の自己負担限度額は年齢や所得によって異なり、平成30年8月診療分から表1のようになっています。
表1
適用区分 | ひと月の自己負担限度額 | |
---|---|---|
外来(個人ごと) | 世帯ごと | |
現役並み(年収約1160万円~) | 25万2600円+(医療費-84万2000円)×1% | |
現役並み(年収約770万円~約1160万円) | 16万7400円+(医療費-55万8000円)×1% | |
現役並み(年収約370万円~約770万円) | 8万100円+(医療費-26万7000円)×1% | |
一般(年収約156万円~約370万円) | 1万8000円 (年間14万4000円) |
5万7600円 |
住民税非課税世帯 | 8000円 | 2万4600円 |
住民税非課税世帯(年金収入80万円以下など) | 1万5000円 |
出典:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」を基に筆者作成
限度額適用認定証を忘れて提示しなかった場合
限度額適用認定証を提示し忘れた場合でも、後から高額療養費の払い戻しを受けることができます。その場合は、以下の手続きを行ってください。
医療機関の窓口で請求された金額通りの医療費(自己負担割合分)を全額支払う
診療時に限度額適用認定証を提示していないため、一時的に通常の自己負担割合分を支払う必要があります。まずは、窓口で請求された医療費を全額支払いましょう。
「高額療養費支給申請書」を提出する
後日、加入している健康保険(協会けんぽや国民健康保険など)に「高額療養費支給申請書」の提出が必要です。申請により、自己負担限度額を超えた分が払い戻されます。
申請方法や必要書類については、加入している健康保険に確認してください。
自己負担限度額を超えて支払った医療費は後から手続きを行えば払い戻しされる
限度額適用認定証は、高額な医療費の支払いがある際に窓口で保険証と一緒に提示することで、支払いを自己負担限度額までに抑えることができる書類です。限度額適用認定証を医療機関で提示し忘れてしまった場合でも、手続きをすることで、後から自己負担限度額を超えて支払った分の医療費を払い戻してもらうことが可能です。
医療費を払い戻してもらうための手順を再度確認しておきましょう。最初に請求された医療費を自己負担割合分全額支払うことにはなりますが、後日「高額療養費支給申請書」を加入している健康保険に提出することで、自己負担限度額を超えた分が払い戻されます。申請方法や必要書類は、加入している健康保険に確認しましょう。
出典
厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ 上限額は、年齢や所得によって異なります (1)70歳以上の方(4ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー