後部座席の窓に「スモークフィルム」を貼っている車を見かけました。車内が全く見えなかったのですが罰則対象にはならないのでしょうか?

配信日: 2025.01.19

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後部座席の窓に「スモークフィルム」を貼っている車を見かけました。車内が全く見えなかったのですが罰則対象にはならないのでしょうか?
車の窓は通常、透明で外から車内が見えるようになっていますが、ドライバーの中には、スモークフィルムを貼っている人もいるようです。
 
今回のケースでは、後部座席の窓にフィルムが貼られており、透過率が低いせいか中が全く見えない状態のようです。そのような車を見ると、相談者のようにルール違反に当たると考える人がいるかもしれません。
 
本記事では、車に貼るスモークフィルムの是非をテーマに、問題ない貼り方や違反になる貼り方、違反した場合のペナルティーについて解説します。
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窓に貼り付けできるもの

結論からいうと、車の窓にスモークフィルムを貼ることは可能です。ただしルールがあります。フロント窓と運転手席の窓および助手席の窓についてはルールが厳しく定められており、後方座席やリアの窓についてはそうではないようです。
 

車前方の3つの窓に関するルール

道路運送車両の保安基準第29条3項には、窓ガラスについて以下の規定がされています。
 
自動車(被牽引自動車を除く。)の前面ガラス及び側面ガラス(告示で定める部分を除く。)は、運転者の視野を妨げないものとして、ひずみ、可視光線の透過率等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
 
この項目によると、フロント窓と運転手席の窓、および助手席の窓は、「告示で定める基準」に合致した状態にしなければなりません。
 
また、前述の「可視光線の透過率等」については、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」第195条にて「70%以上」であることが定められています。可視光線の透過率とは、「人間が見える光をフィルムがどれだけ通せるかを示す値」です。
 
この基準に沿っていれば、前方の窓にスモークフィルムを貼っても問題ありません。
 

車の後方の窓の場合

では後部座席側面の2つの窓とリアの窓についてはどうかというと、前方の3つの窓のような規定はないようです。そのため基本的にはどのようなスモークフィルムを貼っても、問題にならないと考えられます。
 
今回のケースでは後部座席の窓に、中が全く見えないほど濃いスモークフィルムを貼っています。上記の点を踏まえると、ルール違反にならず、従って罰則対象にもならないと判断できるかもしれません。
 
ただし、あまりに濃すぎるスモークフィルムを貼ったがゆえに、運転手が後方を確認しにくくなる場合は「運転者の視野を妨げる」に該当するおそれがあるため注意が必要です。
 

スモークフィルムに関するルールに違反した場合のペナルティー

スモークフィルムに関する法令に従わない場合、ペナルティーとして懲役や罰金が科されるおそれがあります。
 
例えば道路運送車両法第99条の2によると、自動車の改造や装置の取り付け・取り外しなどを行って、車が保安基準に適合しなくなることをしてはならないと定められています。これに違反した場合、同条第108条に該当し、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」に処せられます。
 
また同条第54条の2の1項によると、車が改造などによって保安基準に適合しなくなるおそれがある場合、地方運輸局長は車の使用者に整備命令やその他必要な指示を与えることが可能です。車の使用者がこれに違反した場合、同条第109条に該当し、「50万円以下の罰金」に処せられます。
 

スモークフィルムは後方窓ならつけられる可能性がある

スモークフィルムを貼ることは可能で、後方座席の窓やリアの窓であれば、とくに貼り方の規定はないと考えられます。
 
しかしフロントと前の座席の3つの窓については、貼り付けた状態で可視光線の透過率が70%以上でなければなりません。透過率が分からない場合は、販売業者などに相談してみてもいいでしょう。
 

出典

デジタル庁 e-Gov 法令検索
 道路運送車両の保安基準(昭和二十六年運輸省令第六十七号) 第29条3項
 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号) 第54条の2の1項、第99条の2、第108条、第109条
国土交通省 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第195条 3項
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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