妻が子どもの意見を無視して「インターナショナルスクール」に通わせようとしています。「子どものため」とはいえ、小さいうちは公立や私立でもよいのではないでしょうか?
そこで今回は、インターナショナルスクールの学費相場を、公立や私立の学校と比較しました。子どもをインターナショナルスクールに通わせる際の注意点もご紹介しますので、参考にしてください。
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目次
インターナショナルスクールの学費相場は? 公立・私立と比較
インターナショナルスクールといっても、学校によって、学費は大きく異なります。世界のインターナショナルスクールを対象にした調査によると、東京における学費相場は、年間で4652ドル~2万3109ドルとのことです。
中央値は1万5254ドルのため、「1ドル=157円」で計算すると239万4878円です。志望校などによって学費は異なりますが、相場を年間240万円と仮定すると、小学校から高校までの12年間で、単純計算して、合計2880万円必要になることが分かります。
公立や私立に通わせる場合の学費相場については、文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」を参考にできます。同調査によると、小学校から高校までにかかる1年ごとの学習費総額は、以下の通りです。
●公立小学校:33万6265円
●公立中学校:54万2475円
●公立高校(全日制):59万7752円
●私立小学校:182万8112円
●私立中学校:156万359円
●私立高校(全日制):103万283円
これを基に、公立と私立それぞれに12年間通った場合の学習費を算出すると、以下のようになります。
●公立:543万8271円
●私立:1874万598円
子どもをインターナショナルスクールに通わせる場合は、12年間の学費が公立よりも2336万1729円、私立よりも1005万9402円多くかかる可能性があります。
子どもをインターナショナルスクールに通わせる際の注意点
「海外の大学に進学しやすくなる」「グローバルな視野が身につく」など、インターナショナルスクールに通わせるメリットはさまざまです。
しかし、以下のような注意点もあるため、明確な目的を持って入学を検討しましょう。
授業料以外の出費が負担になる場合がある
インターナショナルスクールによっては、年間授業料以外に、施設設備維持費・ファミリーコミュニティー会費・バス費・キャンプ代・各種試験費用などがかかります。
授業料以外の出費もかさむ可能性があるため、実際にかかる費用が、想定よりも高くなる場合もあるでしょう。
親子ともども英語力が求められる場合がある
インターナショナルスクールでは授業を英語で受けるため、子どもにある程度の英語力が求められます。学校側とコミュニケーションを取る際に、親の英語力が求められる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
日本の学校に進学しづらくなる場合がある
学校教育法第1条で定められている「一条校」ではないインターナショナルスクールでは、義務教育を受けたことにならない可能性もあります。途中で公立校へ編入したり、国内の大学進学を考えていたりする場合は、インターナショナルスクールの法的な位置付けを確認しておきましょう。
子どもにとってストレスになる場合がある
日本語も英語もネイティブにならず、中途半端な状態のセミリンガルになる可能性があります。
また、地元の子どもたちとの交流がなくなり、夏祭りなどのイベントで友だちがいなくて寂しい思いをするかもしれません。子どもにとってストレスになる場合もあるため、注意が必要です。
インターナショナルスクール入学は、学費負担や将来の選択肢などを考慮して慎重な検討が必要
インターナショナルスクールに、小学校から高校まで12年間通わせる場合の学費相場は、約2880万円であることが分かりました。スクールによって費用は異なりますが、平均的に公立よりも2336万1729円、私立よりも1005万9402円多くかかる可能性があります。
インターナショナルスクールでは、授業料以外にも施設設備維持費やキャンプ代など、さまざまな費用が発生するため、予想以上に学費が高くなる可能性があります。
また、親子ともども英語力が求められたり、国内の学校に進学しづらくなったりする場合もあるようです。子どもの意見を聞きつつ、メリットと注意点を考慮して、慎重に検討しましょう。
出典
文部科学省 報道発表 令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します(1ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
