子どもが安いからと「非公認自動車学校に行く」と言っています。「非公認」と付いているのが不安ですが、心配なら「差額」くらい出してあげるべきでしょうか?

配信日: 2025.01.26 更新日: 2025.01.27

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子どもが安いからと「非公認自動車学校に行く」と言っています。「非公認」と付いているのが不安ですが、心配なら「差額」くらい出してあげるべきでしょうか?
子どもが「少しでも費用を安くするために、非公認の自動車教習所に通う」と言い出したら、心配になることもあるのではないでしょうか。
 
運転免許の取得費用は決して安くないため、子どもがアルバイト代でその費用を捻出する場合、少しでも抑えようと考えるのは自然です。
 
しかし、一般的に公認自動車教習所に通ったほうが確実に免許は取得できると考えられており、「非公認教習所で本当に免許を取れるのか」「本当に費用は安く済むのか」と考えてしまうのも無理はありません。
 
公認自動車教習所と非公認自動車教習所の違いや、それぞれの費用、メリット・デメリットを比較しながら解説します。
浜崎遥翔

執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

教習所に通わなくても自動車免許は取得可能

普通自動車免許は、教習所に通わなくても取得できます。運転免許試験場で、仮免許の学科試験、技能試験に合格後、定められた時間の路上練習を行い、本免許の学科試験、技能試験に合格すれば良いのです(試験合格後に別途、取得時講習の受講が必要)。
 
いわゆる「一発試験」と呼ばれるもので、仮に全ての試験に1回で合格すれば、取得費用は次の通り2万6300円に抑えられます。

●普通仮免許試験5500円(受験料2900円、試験車使用料1450円、仮免許証交付料1150円)
●普通免許試験5400円(受験料2550円、試験車使用料800円、免許証交付料2050円)
●取得時講習1万5400円

ただし、運転経験のない人がこれらの試験に合格するのは現実的ではありません。そのため、多くの人は自動車教習所に通う必要があります。
 

公認教習所と非公認教習所の違いは?

公認教習所は、正式には「指定自動車教習所」と呼ばれる公安委員会が指定した基準を満たす教習所です。決められたカリキュラムをこなし、卒業検定に合格すれば運転免許試験場での技能試験が免除されます。
 
ある公認教習所によると、卒業検定の合格率は約90%となっており、確実に免許を取得したい人にとって安心できる選択肢です。
 
一方、非公認教習所では、教習所内での検定は行われません。非公認教習所で運転技術を磨き、運転免許試験場での試験合格を目指すのです。
 
運転免許試験場での試験合格率は公表されていません。しかし、「免許を取得したことがない人が、非公認教習所で技術取得や対策をした場合でも、1回で合格する人は60%近くにとどまる」と公表する非認定自動車教習所もあるなど、決して簡単なものではないのです。公認教習所に通った場合よりも難しい試験に合格するだけの覚悟が求められます。
 
こういった特徴を踏まえながら、それぞれの費用や特徴を深掘りしていきましょう。
 

公認教習所の費用とメリット・デメリット

教習所比較サイトによると、東京都内で公認教習所に通いAT限定の普通自動車免許を取得するのにかかる費用は平均31万5000円となっています。もちろん地域や教習所によって取得費用は異なりますが、おおむね30万円前後の費用は必要です。
 
公認教習所では、定められた時限数の学科講義や実技教習を受けなければなりません。また、検定に通らなかった場合には、検定を受けるための補講や検定の再受験のための追加費用が発生します。
 
それでも、カリキュラムに沿って教習を進めると多くの人が免許を取得できるので、学科の理解度や運転技術で変動する費用はそれほど大きくないといえるでしょう。
 

非公認教習所の費用とメリット・デメリット

非公認教習所の場合は、人によって費用が大きく変動します。学科講義や技術教習の実施時間に定めがないからです。
 
極端な例を挙げると、学科試験はテキストを使って全て自学、1時間の練習で仮免許試験合格までの技能レベルに到達し、本免許試験受験に必要な路上教習だけをこなして、本免許試験に合格、ということも理屈上はあり得ます。
 
なお、ある非公認教習所の10代の平均免許取得費用(試験受験料・取得時講習費用を除く)は、AT限定の場合22万円までに収まっているとのことです。試験場受験費用と取得時講習の費用(最低2万6300円)を入れても、25万円以内に抑えられることになります。
 
ただし、免許取得までに40万円以上かかる人もいるようです。何度も試験に落ちたり、運転技術の習得に時間がかかったりする場合には、結果的に公認教習所よりも高額になるリスクも覚悟しなければなりません。
 

公認教習所と非公認教習所どちらを選ぶべきかよく考えよう

公認教習所は費用が一定で免許取得までの手順が確実な一方、非公認教習所は費用を抑えられる可能性がある点が特徴です。ただし、非公認教習所に通う場合は、一般的には難易度が高いとされている運転免許試験場での試験に合格する必要があり、結果的に費用がかさむリスクもあります。
 
確実に免許を取りたいなら公認教習所が安心ですが、リスクを覚悟の上で費用を優先するなら非公認教習所を検討しても良いでしょう。
 
教習所に通う子どもが学生の場合は、それぞれの特徴を理解しているか確認し、確実に免許をとってほしいという親心から、差額分を出してあげるのも1つといえます。教習所の費用は決して安いものではありません。よく話し合って納得がいくほうを選ぶことが大切です。
 

出典

警視庁 普通仮免許試験
一般社団法人東京指定自動車教習所協会 よくあるご質問
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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