片づけの美学185 思い出の品を収納ボックスにしまったけど、まったく見る機会がない|必要ないのかも?

配信日: 2025.01.27

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片づけの美学185 思い出の品を収納ボックスにしまったけど、まったく見る機会がない|必要ないのかも?
思い出の品の整理ほど、気力が必要な整理収納作業はないと思われます。ご自身の思い出のモノ、ご両親など上の世代の思い出、または子どもなど下の世代の思い出など、対象によって扱い方が変わってくるのも作業が進まない原因でしょう。
 
まったく見る機会がなく、「必要ないのかも?」と感じるようになっているなら、処分できる大きなチャンスです。きっと、今が思い出の品を整理するタイミングです。
 
思い出の品の片づけは、「必要に迫られている」「貯まりすぎて仕方なく」など、後ろ向きな気持ちで取り組むことが多いのが特徴です。ただ、「処分してもいいかも」と感じているなら、思い出の品を前向きに整理できます。
 
振り返りやすく見やすい整理ができると、思い出にも触れやすくなると安心感も高まるかもしれません。本記事で、見ていきましょう。
奥野愉加子

執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)

美学のある暮らし 代表

整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。

<美学のある暮らし>

https://www.bigakurashi.jp

思い出の片づけの基本

片づけ全般にいえることですが、不要なモノを取り除くことがとても大切です。以前「保存するモノ」と分別しても、今なら「捨てていいモノ」もたくさんあるでしょう。まずは、全体を分別して、「残す」と「処分する」の仕分け作業をします。
 
今後も思い出の品を振り返りやすくするためには、モノの量は少ないほうがラクです。できるだけ少数精鋭を目指していきましょう。
 

<自分の思い出の品>

自分の思い出の品を片づけるのに、「思い出」と決めたときは、人生の区切りが関係していることが多いのではないでしょうか。卒業する、結婚する、出産するなど、ライフイベントと関連している場合は思い出になるモノはどうしても多く、細かなモノも大切に感じるでしょう。
 
そのときはそれでよいのですが、5年・10年たってもう一度吟味すると、かなりボリュームを減らすことができます。思い出の品に関しては、今決めることが難しければ、先送りにすることがおすすめです。将来どんと量を減らして、大切な思い出だけを手元に残しておきましょう。
 

<親の思い出の品>

親の思い出の品を整理する場合、大切なモノだけを残すことで、過去をじっくり振り返ることができると思われます。そのために、親が元気なうちに大切なモノを聞いておくのが理想でしょう。
 
コミュニケーションを取って、不要なモノの処分と引き継いでほしいモノの存在を聞いておくと安心です。将来の作業を時短にすることになります。
 
また、親が健在のうちにちょこちょこ整理することで、処分を業者に依頼するよりもずっと安価に済ませることができます。
 

<子どもの思い出の品>

自分のことを考えると想像がつくかもしれませんが、子どもは自分の小さなころのモノや作品にそんなに思い入れがないモノです。「子どものため」に残すのではなく、あなた自身のために子育ての思い出の品を残すという感覚がよいでしょう。
 
例えば、量としては、子どもの1年に対して10個もあれば十分ではないでしょうか。ひとつずつに名前、年度、年齢、場所、などのメモ書きがあることのほうが、量よりも大事だと思われます。
 

思い出の大きさの価値

思い出の品を前にして思い切った処分ができないときは、保管料に目を向けてみましょう。自宅が賃貸なら、非常に分かりやすいです。
 
例えば、100平方メートルで10万円の家賃の家に住んでいるとします。つまり1平方メートルで1ヶ月あたり1000円です。6畳の部屋ひとつを、物置部屋にしているとします。6畳を10平方メートルと換算すると、1000円 × 10 で1万円です。
 
毎月1万円をかけて、思い出の品を保管する必要はあるのか、どうかを考えると処分の決断ができるかもしれません。
 

思い出は少ないほうがいい

まったく見る機会のない思い出の品は、今後も使われる可能性は極めて低いです。処分するのがツライから、残っているという側面が大きいのが事実でしょう。
 
少ないほうが見返しやすい、お金を使って保管していると考えると、処分にも前向きになれるかもしれません。ぜひ分別をしてみましょう。
 
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表

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