70代の父が生活保護の申請を検討しています。「持ち家」「ペット」「車」があると、利用できないのでしょうか?

配信日: 2025.02.22

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70代の父が生活保護の申請を検討しています。「持ち家」「ペット」「車」があると、利用できないのでしょうか?
生活に困窮した場合、「生活保護制度」を活用することが助けになるかもしれません。生活保護世帯になると、一定額の給付金を受けられたり、家賃や医療サービスなどにおいて扶助を受けられたりします。
 
しかし生活保護は、申請すれば誰でも適用されるわけではありません。もろもろの条件があるほか、制限事項もあります。今回のケースのように、一定の資産があると適用対象外になる可能性もあります。
 
本記事では、生活保護の適用範囲について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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生活保護を受ける条件

生活保護を受ける基本的条件は以下の通りです。
 
・世帯員全員が利用可能な資産や能力などを活用すること
 
預貯金や生活に利用していない土地、家屋などを売却することや、能力に応じて働くこと、年金や各種手当などを活用すること(当てはまる場合)、親族などからの援助を受けること(当てはまる場合)が求められます。
 
・世帯収入が「最低生活費(厚生労働大臣の定める基準で計算されたもの)」に満たないこと
 
利用可能な資産や能力などを活用したうえで、世帯収入が不十分な場合は、生活保護の適用対象となります。
 
生活保護を申請したい本人や親族などが手を尽くしても、国からの保護が必要な場合に限り、生活保護を受けることが可能です。
 

持ち家やペット・車を持つことは可能?

今回のケースでは、生活保護の申請を検討している父親が、持ち家に住んでおり、ペットや車を所有している状況と想定されます。
 
生活保護を受ける人に関して、「所有できるものが限られている」というイメージを持つ人は少なくないでしょう。そのため前述のものを持っている人が生活保護を認められることはないと思うかもしれません。
 
しかし実際には、生活保護を受けつつも、これらのものを所有できる可能性があります。一つずつ根拠を示しましょう。
 
・持ち家:所有できるケースあり
 
持ち家は資産であり、原則的に資産活用の観点から売却がのぞまれる可能性があります。しかし居住用の持ち家については保有が認められるケースもあります。
 
例えば「売却してもほとんど価値がつかず引っ越し代の方が高くなる」「家族の介護の必要でそこに住み続ける必要がある」といったケースでは認められるかもしれません。
 
・車:認められるケースもある
 
原則としては売却しなければなりません。しかし自動車で求職活動をしている場合などは、必要なものとして所有し続けられる場合もあります。
 
・ペット:所有できるケースあり
 
「ペットを飼ってはいけない」という規定はないため、飼い続けられる可能性があります。
 
このように、持ち家や車、ペットは必要に応じて所有し続けられる場合があり、状況はケースごとに異なります。自分のケースで所有が可能かどうか知りたい場合は、福祉事務所に相談するといいでしょう。
 

生活保護を受ける際の注意点

一定の資産の所有が認められるケースがあるとはいえ、ある程度制限がかかる場合が少なくない、という点を覚えておくといいでしょう。
 
不動産や乗り物、預貯金などについて、結果的に保有が認められないケースがあります。その場合は処分して生活費に充てなければなりません。
 
車の所有が認められなかった場合、行きつけの場所に行くのが困難になったり、ドライブを楽しめなくなったりとデメリットが発生します。
 
生活保護の申請を検討する場合は、メリットとデメリットをてんびんにかけて判断することをおすすめします。
 

生活保護を受けても持ち家やペット・車が認められる可能性はある

持ち家やペット・車があっても、生活保護の受給を認められる可能性があります。生活保護を受けるからといって、無作為に資産が没収されるわけではありません。
 
とはいえ申請者には資産や能力の活用が求められるため、これらの資産が「不要」とみなされれば手放さないといけません。申請時には、生活保護のメリット・デメリットを比較して検討しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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