子どもが「医者になりたい」と言うのですが、成績はイマイチ…世帯年収「600万円」で私立の医学部は非現実的でしょうか?

配信日: 2025.02.25

この記事は約 3 分で読めます。
子どもが「医者になりたい」と言うのですが、成績はイマイチ…世帯年収「600万円」で私立の医学部は非現実的でしょうか?
私立大学の医学部は、学費が高額なことで知られています。医学部への進学を考える際に、国公立大学に行くのか、私立大学に行くのかで必要な費用は大きく異なるでしょう。
 
そこで今回は、世帯年収「600万円」で、私立大学の医学部は経済的に厳しいのかを解説しつつ、医学部を目指す学生や医学部生向けの奨学金制度についてご紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

世帯年収「600万円」で私大医学部は厳しいのか?

私立大学の医学部の学費は、学校によって大きく異なりますが、6年間の総額で2000万円~5000万円程度かかることがあるようです。これは学費のみの金額であるため、実家を出て一人暮らしをするとさらに費用はかさみます。
 
国立大学の入学料は28万2000円、年間授業料は53万5800円で、これは「国立大白桃の授業料その他の費用に関する省令」にて定められており、どの学部であっても基本的に同じ金額です。
 
一方で、文部科学省の行った令和5年度の「私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、私立大学の医歯系学部入学者が初年度に支払った費用の平均は次の通りです。

●授業料:286万3713円
●入学料:107万7425円
●施設設備費:88万566円
●合計:482万1704円

私立大学の医歯系学部では、国立大学の医学部に比べて初年度だけでも6倍近くの費用が必要になることが分かります。私立大学のほかの学部でも、文科系学部で119万4841円、理科系学部は153万451円、その他学部で146万542円が初年度に必要です。
 
私立大学医学部の学費は高額であることから、世帯年収「600万円」の家庭にとってかなりの負担となるため経済的に厳しいことが予想されるでしょう。
 

医学部向けの奨学金制度

奨学金は、経済的な理由で進学が難しい学生に向けて学費の貸与や給付を行う制度で、国や地方自治体を始め、民間団体や学校独自のものなど、さまざまな種類があります。また、医学部を目指す学生や医学部で学んでいる学生には、通常の奨学金とは別に奨学金制度が設けられていることがありますので見ていきましょう。
 

地域枠における奨学金制度

「地域枠」入試で医学部に入った場合、就学金貸与制度の利用が条件になる場合があります。「地域枠」とは、医師が不足している地域において、卒業後に一定期間その地域で医療に従事することを条件に学生を募集する制度です。
 
貸与額は各都道府県が定めた金額で、卒業後一定期間を指定された医療機関で勤務すると返還が免除されるようです。
 

矯正医官修学資金貸与制度

「矯正医官」とは刑務所、拘置所、少年院などの全国の矯正施設で医療や健康管理を行う医師のことを指します。矯正医官を希望する大学3年生以上の医学部生には、無利息で利用できる奨学金制度があり、これを「矯正医官修学資金貸与制度」といいます。
 
令和6年度の貸与額は月額15万円で、大学を卒業後に医師法で定められた臨床研修終了後すぐに、3年以上矯正医官として勤務した場合は、全額または一部の返還が免除されます。
 

世帯年収「600万円」で私立の医学部は厳しいと考えられる

私立大学の医学部への進学は、世帯年収「600万円」のご家庭では経済的にかなり厳しいことが予想されます。なぜなら、私立大学の医学部は6年間で総額2000万円~5000万円程度と、高額な費用が必要になるためです。これは学費のみの金額であるため、自宅から離れて一人暮らしする場合には、さらに費用はかさむでしょう。
 
国立大学医学部と私立大学医歯系学部進学者の初年度に支払った金額を比べると、国立大学では約81万7800円である一方、私立大学の医歯系学部では、約482万1704円と国立大学の6倍近くの費用が必要になることもあるようです。
 
経済的負担を減らすためには、奨学金制度の活用を検討してみるのも一つの方法です。医学部を目指す学生や医学部の学生向けに、卒業後にあらかじめ指定された勤務場所で一定期間働くと、返済の全額または一部が免除になる奨学金制度があります。詳細を知りたい方は各自治体や関係機関のホームページを確認してみてください。
 

出典

文部科学省 令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について(1ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

【PR】
夫の家事への不安に関するアンケート
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集