来年度の「町内会役員」をお願いされました。住民の“役割”とは思っているのですが母子家庭で余裕がありません…。断ってもよいのでしょうか?

配信日: 2025.02.26

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来年度の「町内会役員」をお願いされました。住民の“役割”とは思っているのですが母子家庭で余裕がありません…。断ってもよいのでしょうか?
誰かがやらなければならない町内会や自治会の役員は、周りからお願いされるケースも少なくありません。
 
しかし、母子家庭で仕事や家事・育児が忙しかったり、特別な事情があったりする場合、できれば役員は避けたいと考えることもあるでしょう。
 
今回は、町内会(自治会)役員を断ってもよいか、断る場合のポイントについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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自治会・町内会とは

総務省によると、自治会・町内会とは、「町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体」のことです。
 
おもな仕事内容としては、区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理などを行います。また、社会福祉活動、行政機関への要望、防災・防火などの活動もしています。
 
自治会や町内会は地域特有の活動もあるため、一概に上記のような内容だけとは限りません。また、役員になった場合はお金の管理を行ったり運営が適切か確認したり、役職によってさまざまな業務を行う必要があるようです。
 

町内会役員は必ずしなければならないのか

町内会役員をお願いされた場合、必ずしなければならないわけではありません。というのも、やむを得ない事情がある場合は、理由を説明すれば免除してもらえる可能性があるためです。
 
また、地区によっては、役員免除制度を設けている場合があります。例えば、以下のような場合は、申請すれば役員を免除してもらえる地区があります。
 

・世帯全員が80歳以上
・世帯全員が未成年者のみ
・長期入院
・寝たきり状態
・特別介護が必要な家族がいるとき
・乳幼児、未就学児などを抱えた母子家庭世帯

 
役員免除制度の有無や対象者は自治会や町内会ごとに異なりますが、ある場合は活用するとよいでしょう。
 
ただし、役員免除制度がないからといって、必ずしも役員を引き受けなければならないとは限りません。特に、母子家庭の場合、仕事と家事・子育ての両立で、思うように自治会や町内会の行事に参加できない可能性も考えられます。
 
また、町内会などの役員になって仕事を担った場合、その仕事をしている時間に収入は発生しません。そのため、今まで働いていた分の収入が減ってしまい、生活が苦しくなるリスクもあります。
 
実際、母子家庭の平均収入と子どもがいる世帯(家庭状況は問わない)全体の平均収入は大きく違います。厚生労働省「令和3年国民生活基礎調査」によると、子どもがいる世帯全体の平均所得金額は1世帯あたり813万5000円です。
 
一方で、厚生労働省旧子ども家庭局(現こども家庭庁)「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」によると、母子世帯の平均年間就労収入は236万円のため、約580万円の差があります。
 
また、母子世帯における子どもの中学校卒業後に高校・高等専門学校へ進学する割合が合計で92.7%のため、教育費なども必要となるでしょう。町内会役員を引き受けたことで本業ができない日が増えた場合、収入も減少してしまい、今後の生活に支障が出るおそれがあります。
 
このように、特別な事情がある場合などは、役員免除の制度がない自治会・町内会であっても、一度事情を説明して相談してみるとよいかもしれません。
 

町内会役員を断る際のポイント

町内会役員を断る場合、伝え方などによっては悪い印象を与えてしまう可能性もあります。そのため、断る際のポイントを意識して、役員を断ったあとも地域の方と良好な関係を築いていけるようにしましょう。
 
ポイントは4つです。
 

・できない理由を明確に伝える:家庭の事情で役員を引き受けられない状況、母子家庭で土日や夜も仕事をしている、など
・代替案を出す:子育てが落ち着いたら役員ができる、最低限〇〇は引き受けられる、など
・事前に相談する:現在の役員に、話し合いが行われる前に事情などを伝える
・自治会・町内会との信頼関係を築く:地域活動に積極的に参加する、できる範囲で協力する、など

 
どのような事情であっても、断る際は丁寧に伝えて、地域の方とよい関係を続けられるように意識するとよいでしょう。
 

事情があって難しい場合は、役員を断ってもよいと考えられるが、伝え方には注意が必要

自治会・町内会の役員は必ず引き受けなければならないわけではありません。特別な事情がある場合には免除される可能性もあるため、母子家庭で両立が難しい場合は、一度相談してみるとよいでしょう。
 
ただし、伝え方には要注意です。自分本位な伝え方をしたり、理由を明確にせずに一方的に拒否したりすると、印象が悪くなるかもしれません。近隣住民とのトラブルは生活にも影響を及ぼしかねないため、役員を断る場合は代替案や事前相談、理由の伝え方を意識するとよいでしょう。
 

出典

総務省 自治会・町内会等とは(1ページ)
政府統計の総合窓口(e-Stat) 厚生労働省 令和3年国民生活基礎調査 表番号114 児童のいる世帯の平均所得金額-平均世帯人員-平均有業人員,末子の年齢階級別
厚生労働省旧子ども家庭局(現こども家庭庁) 令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告(令和3年11月1日現在) II.主な調査結果 16 ひとり親世帯の令和2年の年間収入 (1)平均年間収入等(36ページ)、ひとり親世帯における子どもの中学校・高等学校卒業後の進路(82ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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