車に「誤発進防止」のための「装置を後付け」するには、どのくらいの「費用」が必要?
配信日: 2025.02.26

近年では、安全運転を支援してくれるセーフティ・サポートカー(サポカー)も販売されるようになりましたが、それ以外の車にも、後付けで誤発進防止装置を付けられるのか気になる方もいるでしょう。
そこで今回は、誤発進防止装置の後付けやその費用について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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アクセルとブレーキの踏み間違いによる死亡事故は高齢者が多い
公益財団法人交通事故総合分析センターの調査によると、アクセルとブレーキの踏み間違い事故は、3年間で1万件近く発生しています。死亡や重傷に至った事故の多くは65歳以上の高齢者が引き起こしており、基本的には年齢が高くなるほど、踏み間違いの事故も増えているようです。
また、踏み間違い事故は、低速で走行している状況で発生しやすい傾向があるようです。例えば、以下のようなケースがあるといわれています。
・コンビニエンスストアの駐車場で前方に進むつもりがバックしてしまい、慌ててブレーキとアクセルを踏み間違えた
・コインパーキングでコインを入れることに気を取られ、ブレーキから足が離れて車が前に進んだため慌ててブレーキとアクセルを間違えて踏んだ
このように、何らかの操作ミスが原因でパニック状態に陥り、アクセルとブレーキを踏み間違えてしまうケースがあるようです。
後付けの誤発進防止装置がある
近年、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置がついた「サポカー」が増加していますが、通常の車でも後付けで誤発進防止装置をつけられるメーカーがあります。ここでは、後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置を見ていきましょう。
後付けペダル踏み間違い急発進抑制装置
ペダル踏み間違い急発進抑制装置とは、停止中や低速で走行中に急にアクセルを踏んでしまうと警告音が鳴り、急発進を防止してくれる装置とされています。前進・バックの両方に対応しており、交通事故の可能性を軽減してくれる可能性があるでしょう。
例えば、後退時に時速5キロメートル以上でアクセルを踏んだときや、時速約30キロメートル以下でアクセルを急に踏み込んだ時の加速が抑制されるといわれています。間違えてアクセルを踏んでも急発進しないため状況を把握しやすく、落ち着いてブレーキを踏める可能性があるでしょう。
価格は4万円〜7万円程度で、トヨタや日産、ホンダなどの自動車メーカーもサービスを展開しているようです。自動車メーカーの純正品は各メーカーのディーラーで装着でき、それ以外でもカー用品店では、電子制御アクセル車・12V車・国産車であれば多くの車種に装着できる可能性があります。
ただし、この装置は急発進をおさえる機能はあっても停止させる機能はないようです。装置が作動しても完全に車が止まるわけではないため、自分でブレーキを踏んで車を止める必要があると考えられます。
また、装着できない車もあるようなので、事前に確認しましょう。
後付け衝突被害軽減ブレーキ
後付け衝突被害軽減ブレーキとは、サポカーに標準装備されている「衝突被害軽減ブレーキ」を通常の車に後付けできる装置を指すようです。
メーカー独自の試験によると、ある製品では以下の状態が確認されたといわれています。
・時速40キロメートルで前方の静止した車両に近づいても衝突しない
・時速20キロメートルで走行中の車に、後方から時速60キロメートルで近づいても衝突しない
・時速5キロで横断中の歩行者(子ども)に、時速30キロメートルで近づいても衝突しない
このように、後付けの装置でも万が一の衝突を防げるかもしれません。
後付け衝突被害軽減ブレーキの価格は、工賃込みで16万〜18万円程度が目安で、加速を抑制する「急発進抑制機能」も備えているようです。
ただし、運転の状況や、車両や天候、道路の状態により、システムが正常に作動しない可能性があります。機能に頼りきらず、日頃から安全運転を心がけることが重要といえるでしょう。
サポカーと同機能の装置を装着するには16万円〜18万円程度の費用がかかる可能性がある
サポカーに搭載されている誤発進防止装置は、後付けでも装着できるようです。ただし、衝突被害軽減ブレーキ(急発進抑制機能も装備)を装着するには16万円〜18万円程度の費用がかかる可能性があります。
自動車メーカーでも後付けに対応しているペダル踏み間違い急発進抑制装置であれば、4万円〜7万円程度で購入できる可能性があるため、気になる方は検討してみるとよいでしょう。
出典
公益財団法人交通事故総合分析センター ペダル踏み間違いによる事故~事故統計分析から多重衝突の実相に迫る~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー