大学の「入学金」は平均どのくらい? 「私立」と「国公立」の大学で入学金はどれくらい違うの?

配信日: 2025.02.28

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大学の「入学金」は平均どのくらい? 「私立」と「国公立」の大学で入学金はどれくらい違うの?
大学へ進学するためには、入学金が必要です。進学を検討する際の費用計画に、私立と国公立ではどのくらい違うのか、具体的にどのくらい必要か知りたい人も多いでしょう。
 
そこで本記事では、文部科学省の調査から私立大学と国公立大学の入学金や授業料を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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私立と国公立の大学の入学金

まず、ここでは入学金の平均額について紹介します。
 

私立大学の入学金

文部科学省が発表している「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査」によると、私立大学の入学金は図表1の通りです。
 
図表1

学部 文科系学部 理科系学部 医歯系学部 その他学部 全平均
入学金 22万3867円 23万4756円 107万7425円 25万1164円 24万806円

出典:文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査」より筆者作成
 
私立大学では学部ごとに入学金の平均額が異なりますが、文部科学省のデータによると令和5年度の全学部の平均額は24万0806円です。
 

国立・公立大学の入学金

文部科学省が発表している「国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和5年の国立・公立大学の入学料は図表2の通りです。
 
図表2

大学 国立大学 公立大学
入学料 28万2000円 37万4371円

出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」より筆者作成
 
国立大学の場合、令和5年度の平均額は28万2000円で、平成14年より同額のままです。一方、公立大学の平均額は37万4371円で前回調査の令和3年度の39万1305円より1万6000円以上安くなっているうえに、平成10年以来最安となっています。
 

私立と国公立の大学の授業料

大学の授業料は、家計に大きな影響を与える出費です。ここでは、私立と国公立大学の授業料を紹介します。
 

私立大学の授業料

「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査」によると、私立大学の入学金は図表3の通りです。
 
図表3

学部 文科系学部 理科系学部 医歯系学部 その他学部 全平均
授業料 82万7135円 116万2738円 286万3713円 97万7635円 96万9205円

出典:文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査」より筆者作成
 
私立大学では学部ごとに授業料が大きく異なりますが、令和5年度の全学部の平均授業料は96万9205円です。
 

国立・公立大学の授業料

「国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和5年の国立・公立大学の授業料は図表4の通りです。
 
図表4

大学 国立大学 公立大学
授業料 53万5800円 53万6191円

出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」より筆者作成
 
国立大学と公立大学の授業料はほぼ同額で、どちらも約53万6000円です。学部による授業料の差がほとんどないため、学生や家庭にとって予測が立てやすいことが国公立大学の大きなメリットといえるでしょう。
 

私立大学と国公立大学の入学金と授業料の金額

ここでは、入学金と授業料を合計した金額を図表5, 6にまとめました。
 
図表5:私立大学

学部 文科系学部 理科系学部 医歯系学部 その他学部 全平均
金額 105万1002円 139万7494円 394万1138円 122万8799円 121万11円

出典:文部科学省「令和5年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査」より筆者作成
 
図表6:国公立大学

大学 国立大学 公立大学
金額 81万7800円 91万562円

出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」より筆者作成
 
入学金と授業の合計が国立大学で81万7800円、私立大学で平均が121万11円で、両者の差は40万円以上にもなります。
 
入学金では、学部によっては私立大学が国立大学よりも安いケースがみられますが、授業料は国公立大学よりも高額であるため、総合的な学費負担は私立大学のほうが国立大学よりかなり大きいことが分かります。
 
また、私立大学ではこのほかに施設設備費を納めるケースが多いです。「令和5年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査」による平均額は、16万5271円です。
 

大学にかかる費用を抑える方法は?

大学の入学金や授業料は決して安くないため、少しでも負担を軽減したいと考える人も多いでしょう。ここでは、入学までの受験にかかる費用を抑えるためのポイントを紹介します。
 

大学入学共通テスト利用入試を受ける

大学入学共通テスト利用入試は、一般選抜に比べて受験料が抑えられる傾向にあります。大学入学共通テストの結果をもとに合否を判定するため、各大学で個別の二次試験を受ける必要がありません。そのため、遠方への移動や宿泊が不要になり、交通費や宿泊費を節約できます。
 

同じ大学の複数学部を受験する

複数学部を受験する場合、2学部目以降の受験料が割引される制度を導入している大学があります。選択肢を広げつつ、受験費用を抑えることが可能です。
 

学費は国公立が私立より安いが進学先は子どもの将来を考えて

私立大学の入学金は、国立大学や公立大学と比べて平均的に安いものの、授業料が高額であるため、総合的な学費は私立大学のほうが高くなります。進学先を選ぶ際には、入学金と授業料の両方を考慮して、学費全体の負担をしっかり検討することが大切です。
 
ただし、子どもの進学先選びは子どもの将来を考えるのが大切です。進学先を選ぶ際には、学費の負担だけでなく、大学の学風やカリキュラム、卒業後の就職実績や人脈形成の機会なども考慮して、子どもとよく話し合って決めましょう。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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