旅行中にアパートの「契約駐車場」を友人に貸したら、管理人に注意された! 毎月「駐車場使用料」は支払っているのに、どうしてダメなの? 又貸しの注意点を解説
配信日: 2025.03.12

しかし、契約者は24時間常に契約駐車場に車を停めているわけではありません。旅行などで駐車場を利用していないときや家族が車で外出している時間の来客時に「駐車場を貸してほしい」と言われるとつい気軽に許可してしまう人もいるのではないでしょうか。
本記事では、契約している駐車場を第三者に貸すこと、いわゆる「又貸し」がなぜいけないのか、又貸しで想定されるトラブルについて解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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又貸しは民法違反になる可能性がある
地主や管理人などに許可を取ることなく契約している駐車場を第三者に貸すことは又貸しと呼ばれる行為です。又貸しは、民法612条「賃借権の譲渡及び転貸の制限」違反となる可能性があります。
民法612条は賃貸人の許可なく賃借権を譲り渡し、または転貸することはできないという内容です。刑法ではなく民法のため違反しても逮捕されたり罰金が科されたりすることはありませんが、相手は損害賠償の請求や契約の解除をすることができます。
契約者人以外が駐車場を利用することで起きるトラブル
駐車場を借りる際、車種やナンバーを申告する場合があります。これは、地主や管理人など駐車場を貸す側がスペースに適した車なのかどうか、契約している車と実際に利用している車が同一なのか判断できるようにするためです。
契約者以外が駐車場を利用することでトラブルが起きる可能性が想定されます。契約者以外の車が駐車場を又貸しで利用し、扉を開ける際の「ドアパンチ」などで周囲の車を傷つけてしまった場合、被害者への連絡が複雑になってしまい対応が遅れることがあります。
又貸ししている駐車場がマンションやアパートなど共同住宅の駐車場である場合は近隣住民との信頼関係も損なわれてしまいます。住民以外の人が敷地内に出入りすることを嫌がる人もいるでしょう。
来客用駐車場を借りることも検討してみて
駐車場の又貸しは民法および契約違反となる可能性が高くトラブルの原因にもなりかねないので避けるべきです。
旅行など長期間駐車スペースがあいているような状況でも様々なリスクがあるため貸せないことを相手に伝え、自宅への訪問者には周辺のコインパーキングを利用してもらいましょう。
別居している家族や友人など決まった人物が頻繁に訪れる場合は、来客駐車場としてもう1台分の駐車場を借りるのも選択肢の1つです。マンションやアパートの規約によりますが、住民が所有していない車を停めるための駐車場を借りることができる集合住宅もありますよ。
まとめ
仕事や旅行など契約駐車場を使っていない間に駐車場を使いたい人がいると、つい気軽に「使っていいよ」と言ってしまいそうになりますが、管理者に無断で契約駐車場を第三者に利用させるのは又貸しとなり契約違反となる可能性があるので注意しましょう。
駐車場を又貸しすると他人の車に傷をつけてしまった際の対応が遅れてしまうことがあります。集合住宅の駐車場であれば近隣住民との信頼関係も損なわれてしまいます。
このようにさまざまなリスクがあることから、旅行中の又貸しは避けましょう。また別居する家族や友人が自宅に遊びに来る際は、なるべく公共交通機関や周辺のコインパーキングを利用してもらってください。頻繁に来客がある場合は、来客用に駐車場を確保しておくのも1つの手です。
出典
e-GOV法令検索 民法
国税庁 駐車場使用契約書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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