「原状回復費」って何? 壁紙の張り替え費用に「10万円」は妥当?
配信日: 2025.03.14

そこで今回は、一例として壁紙の張り替え費用で10万円は妥当な金額なのかや、原状回復費でトラブルにならないための方法についてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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原状回復費とは
原状回復費とは、アパートなどを退去する際に、部屋の修繕費として支払うお金で、通常は入居時に支払っている敷金から賄われるといわれています。
敷金よりも原状回復費が少なければ、差額が戻ってきますが、場合によっては敷金だけでは足りず、追加で費用を請求される可能性もあるようです。
原状回復費の定義とトラブル事例
原状回復とは、その名称から「借りた当時の状態に戻すこと」と考えられがちです。しかし、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では原状回復のことを次のように定義しています。
「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」
これは「普通に使ってできた損傷」や「経年劣化」の修繕費は、原状回復費に含まれないことを意味しています。
しかし、実際は入居時からついていた傷を、最近ついた傷だとして修繕費を請求されたり、賃貸契約書に記載のないハウスクリーニングの請求をされたりなど、さまざまなトラブルがあるようです。
アパートの原状回復費の相場
アパートの原状回復費は、部屋の広さや居住年数によって異なるようです。
株式会社プラスワンのアトムくん編集部が実施した「賃貸物件の退去費用に関するアンケート」によると、請求された退去費用の平均は6万3283円という結果が出ています。ただしワンルーム~1LDKでは平均5万円ほどの費用が、2K~2LDKではおよそ8万円、3DK~4LDKでは9万円と上がっています。
なお、壁紙の種類によっても異なりますが、張り替えの相場は1平方メートルあたりおよそ1000円~1200円とされているようです。例えば、6畳の部屋の壁面積はおよそ30平方メートルのため、費用は3万円~3万6000円となります。
壁紙の張り替え費用が10万円だった場合、部屋の広さによっては相場よりも高い額の可能性があるでしょう。
請求された原状回復費に納得できないときはどうする?
請求された原状回復費に納得できない場合、泣き寝入りする前に、不動産会社に費用の内訳を確認するとよいでしょう。
どのような計算方法でその費用が出たのか説明してもらい、国土交通省が発表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に沿った額になっているかどうかをチェックします。
トラブルになった場合や、どうしても納得できないときには、消費生活センターなどに相談してみてください。
原状回復費でトラブルにならないためにやっておくべきこと
原状回復費でトラブルにならないためには、入居時から気を配っておく必要があります。とくに入居時からやっておくべきなのは、次の3点です。
・入居時に「現況確認書」の内容をチェックする
・契約書の原状回復に関する内容に目を通しておく
・カビやシミができないよう、こまめに清掃や換気を行う
「現況確認書」とは、入居の時点で破損や汚損があるかないかを示す書類のことです。もし、書かれている内容に疑問点や異なる部分があれば、不動産会社に報告しましょう。
また、契約書の内容は契約前に隅々まで目を通し、分からない部分は契約前に不動産業者に確認します。とくに禁止事項・修繕関連・退去時の費用負担などは注意しましょう。日々、清潔に保つことも大切です。
アパート退去時の壁紙の張り替え費用10万円は相場より高い可能性があるため、納得できないときは不動産会社に相談しよう
アパート退去時には、原状回復費を支払う必要があります。原状回復費として負担しなければならないのは故意や過失によってできた汚れや傷です。経年劣化などによる損傷は負担の必要がないとされています。
壁紙の張り替えで10万円請求された場合、平均よりも高額な可能性があります。もしも、想定外の原状回復費を請求された場合は、不動産会社に内訳や計算方法を確認しましょう。
出典
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
株式会社プラスワン アトムくん 賃貸物件の退去費用に関するアンケート
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー