マンションの「家賃」の値上がりが続き、嘆いています。そんな頻繁に値上がりするものでしょうか?
配信日: 2025.03.19

今回は、マンションの賃料が値上げされる理由や、頻繁な値上げが違法になる場合がある理由などについてご紹介します。

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マンションの賃料が値上げされる理由とは
マンションの家賃は、場合によって値上げされることもあります。
例えば、物価の上昇により家賃が値上げされることも少なくありません。家賃にはマンションの修繕費や管理費が含まれており、マンションの適切な維持管理のためには欠かせない費用です。物価の上昇により修繕費や管理費が高くなれば、家賃も値上げされる場合があります。
総務省統計局の「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)12月分及び2024年(令和6年)平均」によると、2020年を100としたときの2024年時点での総合指数は108.5です。4年間で10ポイント近く上昇しています。
また、「住居」のみの指数で比較しても、2024年は103.1と2020年からは3.1ポイント、前年比では0.7ポイントの上昇です。こうした物価の上昇から、家賃も値上げする可能性は十分にあり得ます。
物価上昇が理由でなくとも、周囲のマンションの家賃よりも自身のマンションの家賃が安い場合、周囲に合わせる形で値上げするケースもあるでしょう。土地や建物の資産価値そのものが上昇したときも、値上げを告知される場合があります。
具体的な理由なく何度も値上げをされることは違法になる可能性も
先述したように、正当な理由がある場合は家賃を値上げできるケースがあります。しかし、契約書に「家賃は一定期間値上げしない」と明記されている場合は、できないこともあります。また、家主による理由のない一方的な値上げもできません。
そのため、物価の上昇などとも関係なく繰り返し値上げされる場合は、違法になる可能性があります。
借地借家法第32条第1項では以下のように定められているためです。
「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。」
法律で定められているような理由により賃料の値上げを求めることは構いませんが、契約書に増額しない旨が記載されている場合は、契約書が優先されます。
何度も値上げをされるときは、まず家主にその理由を詳しく聞きましょう。毎回の値上げに法的な根拠があればよいですが、きちんとした理由がなければ一方的な値上げは不可能であることを伝えます。
話し合いが難航したり家主側が強硬姿勢を見せたりする場合は、弁護士や専門家に介入してもらうことも選択肢のひとつです。
もし法律に記載されている理由であっても、周辺地域の賃料の相場を調べるなどしたうえで、値上げに納得ができないときは、家賃交渉や引っ越しも視野に入れましょう。
理由のない頻繁な値上げは違法になる可能性がある
賃貸マンション住まいの場合、物価上昇や建物・土地の価値の上昇、周辺の家賃と比較して安いなどの理由で、家賃の値上げを告げられるケースはあります。
しかし、具体的な理由なく何度も値上げをされるときは違法になる可能性があります。まず家主へ法的に問題のない理由が存在するのかを確認しましょう。状況によっては交渉や引っ越しの検討も必要です。
出典
総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)12月分及び2024年(令和6年)平均 2 2024年(令和6年)平均(4ページ)、前年との比較(10大費目)(5ページ)
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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