共働き、世帯年収「660万円」で高校生の子どもが一人います。「高校生等奨学給付金」「高等学校等就学支援金」は受け取れるのでしょうか?

配信日: 2025.03.23 更新日: 2025.03.24

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共働き、世帯年収「660万円」で高校生の子どもが一人います。「高校生等奨学給付金」「高等学校等就学支援金」は受け取れるのでしょうか?
高校へ通う子どもがいる世帯を対象にした「高校生等奨学給付金」や「高等学校等就学支援金」といった制度があります。
 
これらの制度は、各世帯の状況および公立か私立かによって支給額が異なります。今回は、世帯年収660万円の場合いくら支給されるのか、所得制限や申請方法についてまとめました。
FINANCIAL FIELD編集部

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「高校生等奨学給付金」「高等学校等就学支援金」とは?

「高校生等奨学給付金」や「高等学校等就学支援金」は、教育費の負担軽減を目的に設けられた制度です。ほかにも、各都道府県による授業料の減免制度などもあるようです。
 

高校生等奨学給付金

高校生等奨学給付金は、低所得世帯の高校生に対して授業料以外の教育費(教科書や教材を買う費用など)の負担を軽減するため、一定の金額が給付される制度です。
 
この制度は教育の機会均等を目的としており、特に生活保護受給世帯や非課税世帯の支援が中心です。そのため、今回のように年収が660万円ある世帯は、高校生等奨学給付金の給付対象ではなく、「高等学校等就学支援金」の対象になるでしょう。
 
表1に令和6年度の「高校生等奨学給付金支給額(全日制の場合)」についてまとめました。
 
表1

世帯の状況 年間の支給額
国公立 私立
生活保護受給世帯 3万2300円 5万2600円
非課税世帯(第1子) 12万2100円 14万2600円
非課税世帯(第2子以降)
※15歳以上23歳未満の兄弟姉妹がいる世帯
14万3700円 15万2000円

出典:文部科学省「高校生等少額給付金~奨学のための給付金~」を基に筆者作成
 

高等学校等就学支援金

高等学校等就学支援金は、国公私立にかかわらず授業料の支援を行う制度です。支援金の金額は、年収や子どもの数、両親のどちらか一方が働いているのか、共働きなのか、公立か私立かなどによって変わります。
 
さまざまな事情により、家計が急変した世帯を対象とした「家計急変支援」もあるほか、年収が約270万円未満の世帯(非課税世帯)では「高校生等奨学給付金」も同時に受け取ることが可能です。
 
今回のケース(両親が共働きで世帯年収が660万円、子ども一人の世帯)の場合、公立高校で年間最大11万8800円、私立高校で年間最大39万6000円が支給される可能性があります。
 
なお、2025年4月からは公立・私立を問わず所得制限を撤廃し、全世帯に年間11万8800円が給付される見込みとなっています。
 

申請方法と注意点

給付金や支援金を受け取るには申請が必要です。新入生は入学時に、在校生には7月までに学校からの案内があるはずです。申請期間や具体的な手続きは各都道府県によって異なることがあるため、詳細は確認するようにしてください。
 
高校生等奨学給付金を受ける場合、生活保護を受けていることや非課税世帯であることを示す証明書を提出しなければなりません。収入状況の変化についての確認は毎年度行われ、年に1回7月頃に申請手続きをする必要があります。
 
高等学校等就学支援金も、年に1度収入状況の確認が行われます。給付金と異なり、支給金は学校への支給となって授業料と相殺されるため、受給者(生徒や保護者)が実際に金銭を得るわけではないことを理解しておきましょう。
 

共働き世帯年収660万円、子ども一人の世帯では「高等学校等就学支援金」を年間最大39万6000円受給できる

共働きで世帯年収660万円、高校生の子どもが一人いる場合は「高校生等奨学給付金」の対象ではありませんが、支援金として年間で最大39万6000円を受給できる可能性があります。
 
ただし、受け取るには申請および手続きが必要です。また、世帯の状況によって給付金額が変動する可能性があるため、保護者は定期的に状況に変化がないかを確認する必要があります。
 
給付金や支援金制度は、それぞれ異なる側面から高校生の支援を行っており、いずれも教育の機会均等を促進するための重要な施策といえます。
 

出典

文部科学省 令和6年度 高校生等奨学給付金リーフレット(1ページ)
文部科学省 高等学校等就学支援金リーフレット(概要版)(2ページ)
文部科学省 所得基準に相当する目安年収(例)(1ページ)
文部科学省 支給期間 ・ 支給限度額一覧(令和2年4月以降)(1ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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