友人が「愛知→埼玉」に引っ越したけど、車が「尾張小牧」ナンバーのまま!「自動車税を納めてるから大丈夫」とのことですが、罰金などのリスクはないのでしょうか?
配信日: 2025.03.27

車を所有している状態で引っ越した場合は、車の住所変更の手続きが必要です。これらの手続きを怠ると罰則の対象になるだけでなく、日常生活に支障が出る可能性もあります。本記事では必要な手続きを確認しながら、車のナンバー変更をしないことのリスクについて解説します。

執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
車を所有して引っ越したら4つの手続きが必要
車を所有した状態で引っ越しをした場合に必要な手続きは、以下の4つです。
・運転免許証の住所変更
・自動車保管場所の届出(車庫証明の取得)
・車検証の住所変更
・自賠責保険の住所変更
運転免許証の変更手続きは警察署または免許センター、自動車保管場所の届出は保管場所の所在地を管轄する警察署、車検証の住所変更は運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)、自賠責保険の住所変更は業界共通で使用する共同システム「One-JIBAI」を使ってWeb上で、それぞれ行います。
この中でナンバープレートにかかわるのは車検証の住所変更です。引っ越しにより管轄の運輸支局が変わる場合、ナンバープレートが変更されます。なお、同じ運輸支局管轄内での引っ越しの場合、ナンバープレートの変更は不要です。
また、これ以外にも任意保険に加入している場合は、あわせて任意保険の住所変更の手続きもしておきましょう。
手続きをしないとどうなる? 罰則とデメリット
ナンバープレートをそのままにしておくことには大きなリスクが伴います。次のような問題が発生するため、必ず変更を行いましょう。
法律違反で罰則の対象になる
車の所有者が引っ越しをした場合、法律で、15日以内に自動車保管場所の届出(車庫証明の取得)と車検証の住所変更をすることが定められています。
自動車保管場所の届出を行わないと「自動車の保管場所の確保等に関する法律」に違反し10万円以下の罰金、車検証の住所変更をしないと「道路運送車両法」に違反し50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
知らないうちに法律違反に該当し、思わぬトラブルを招くかもしれないことに注意が必要です。
自動車税の納付書が届かず、結果的に未納となる
自動車税の納付書は、車検証に登録されている住所に送付されます。住所変更をしないと、手元に自動車税の納付書が届かず納付ができません。自動車税を納付しないと、車検の手続きができないことに注意が必要です。
また、未納のままだと延滞金が発生します。さらに未納状態が続くと財産が差し押さえられる可能性もあるため、確実に手続きを行うことが大切です。
リコールなど重要なお知らせが届かない
リコールとは、販売後の車に重大な欠陥が見つかったときに自動車メーカーが無償で行う部品交換や修理のことです。このお知らせは車検証の住所に送られるため、住所変更をせずにいると、重大な欠陥を残したまま車を使い続けることになります。
命に危険が及ぶような事故につながる恐れがあるため、車検証の住所変更を適切に行い、お知らせを確実に受け取れるようにしましょう。
引っ越しを繰り返すと手続きが複雑になる
車検証の住所変更を行わずに引っ越しを繰り返すと、売却などの手続きが非常に煩雑になることにも注意が必要です。売却時に印鑑証明書の住所(一般的には現住所)と車検証の住所が異なる場合、2つの住所のつながりを公的書類で証明しなければなりません。
1回の引っ越しであれば住民票の写しで証明できますが、引っ越しを繰り返している場合はほかの書類が必要です。
筆者には、車検証の住所変更をしないまま3回の引っ越しを繰り返し、車の売却のときに苦労した友人がいます。友人によると、戸籍の附票の写しや住民票の除票などが必要で、準備が煩雑となったそうです。引っ越しごとに車の住所変更をすべきといえるでしょう。
車の住所変更をしないことにはリスクがある
車庫証明や車検証の住所変更を怠ると、法律違反による罰則の対象となるだけでなく、自動車税の未納やリコールなどの重要な通知が届かないといった問題が発生する可能性があります。
特に、引っ越しを繰り返した場合は、後々の手続きが煩雑になり、負担が大きくなることも考えられます。車の住所変更に伴う手続きは面倒に感じるかもしれませんが、必要な届出を済ませ、安心して車を使える状態にしておきましょう。
出典
e-Gov法令検索 自動車の保管場所の確保等に関する法律
e-Gov法令検索 道路運送車両法
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士