高校生の子どもが「理系」を選びました。進学したら「国立」と「私立」でどれくらい学費に差があるのでしょうか?

配信日: 2025.03.30 更新日: 2025.04.02

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高校生の子どもが「理系」を選びました。進学したら「国立」と「私立」でどれくらい学費に差があるのでしょうか?
子どもの学びたい気持ちに応えるため、保護者にとって教育費の準備は最大の関心事といえます。教育費には、進学先が子どもの希望次第のため、必要な教育費が発生する直前まで確定しないという特徴があります。
 
仮に子どもが理系に進学するとした場合、国立と私立でどれくらいの差があるのでしょうか? 本記事で解説していきます。
菊原浩司

執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

http://conserve-investment.livedoor.biz/

大学進学費用を準備は計画的に

教育費のなかでも大学の学費は家計の大きな負担になりますが、保護者としては希望通りの大学に行けるよう、学資保険を利用するなどして計画的な資金準備を行うことになります。
 
大学の学費は学部にもよりますが、一般に国立よりも私立のほうが学費は高い傾向にあります。これは少子高齢化や物価上昇の影響を受けているためですが、国立も法人化に伴い独立採算制を求められ運営交付金の額が減少しており、教育水準を維持するため学費の見直しが提言されています。
 
今後学費の準備をする場合、学費の値上げも加味した余裕のある資金計画を立てる必要があります。では、仮に国立と私立の理系に進むとしたらその学費はいくらくらいになるのでしょうか。
 

理系の国立・私立の学費を確認

国立の場合、4年間の学費は平均約250万円で専攻によって学費が変わることはありません。私立理系の場合は平均約550万円となっており、その金額差は倍以上となっています。子どもが国立か私立のどちらを志すかで保護者の負担は大きく変わることになります。
 
特に初年度は学費の負担額が大きいため、私立を選ぶ可能性がある場合は学費が不足しないよう早めに準備をする必要があります。
 

奨学金の利用は子どもの経済的負担に

学費が足りない場合は、奨学金という選択肢もあります。奨学金には貸与型と給付型があり、給付型は返済不要ですが、貸与型は就職後に返済を続けていくことになります。
 
奨学金とはいえ、内実は借り入れです。将来住宅ローンなどを契約する際、奨学金の返済が終わっていないと借入額が圧縮されてしまい、希望のマイホームを購入できなくなってしまうかもしれません。
 
また、貸与型(有利子)や民間の教育ローンを利用する場合、連帯保証人が必要となるケースが多いです。奨学金を返済している途中で子どもが死亡した場合、返済義務は連帯保証人に移ります。子どもは奨学金返済のための生命保険も加入することになるので保険料の負担も生じます。
 
現在は2人に1人が奨学金を利用しているといわれていますが、子どもの将来設計の際に問題となる可能性があるため、保護者ができるだけ用意してあげるとよいでしょう。
 

国立の学費は今後どうなる?

国立の学費は学部に関わらず標準額が採用されており、私立と比べて学費はかなり割安になっています。しかし、国立の学費は2024年に「150万円に引き上げる」といった提言が注目を集めたとおり、今後は学部別の学費が設定されるなど必要な学費が大きく変動する可能性があります。
 

まとめ

子どもが理系を専攻した場合、国立と私立それぞれの学費を比べたところ、国立では4年間で約250万円、私立では550万円といわれています。また現在の国立の学費制度では理系・文系問わず学部による学費の違いはありません。
 
しかし、国立の学費は私立に比べて低額ですが、少子高齢化などのさまざまな理由により国立の学費も値上げや学部別の学費導入といった提言がされています。
 
学費は保護者が長い時間をかけて計画的に積み立てていくものですが、学費が値上がりしてしまうと準備していた金額では足りなくなってしまうおそれがあります。
 
不足分を奨学金によって賄うことも選択肢のひとつですが返済が必要な貸与型の場合、残債は住宅ローンなどの利用時などに借り入れ条件に悪影響を及ぼしたり、万が一死亡した場合に備え連帯保証人を受取人とした生命保険に加入したりする必要があるなど経済的負担が生じることになります。
 
学費は必要額が支払いの直前で大きく変動する性質があります。意に沿わない奨学金を利用することがないよう値上がりを見込んだ余裕のある学費の資金計画を立てるようにしましょう。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
 
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表

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