「不用品を無料で回収します」との放送をよく耳にします。怪しく思えますが、なぜ無料の「廃品回収業者」があるのでしょうか?

配信日: 2025.04.01 更新日: 2025.04.02

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「不用品を無料で回収します」との放送をよく耳にします。怪しく思えますが、なぜ無料の「廃品回収業者」があるのでしょうか?
不用品の無料回収をアナウンスしながら地域を回っているトラックを目にしたことがある人もいるでしょう。このような業者は、なぜ無料での回収が可能なのか、不思議に思うこともあるかもしれません。
 
本記事では、不用品を無料で回収できる仕組みを始め、依頼しない方がよいと考えられる廃品回収業者の特徴や実際のトラブル事例も詳しくご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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なぜ無料の廃品回収が可能なのか?

通常、廃品を処分するには費用がかかるでしょう。特に、家電リサイクル法の対象品目である冷蔵庫・テレビ・洗濯機・エアコンは、処分する際にリサイクル料金を支払うことが義務づけられています。
 
そのため、不用品を回収してくれる業者を利用する際には料金を支払わなければならないと思う人も多いでしょう。しかし、今回の事例のように「無料回収」を宣伝しながら地域を回っているトラックや、広告チラシを目にすることがあります。
 
無料回収が可能な理由には、「回収した不用品をリユースして利益を得ている」ことが考えられます。実際に「無料で回収した不用品を再使用可能な状態にして安価で販売している」「国内で売れなかった場合は国外に輸出販売している」というように、無料回収の理由を説明している業者もあるようです。
 

無許可の廃品回収業者に依頼するのは危険

上記のような理由で本当に無料で不用品を回収している業者もありますが、中には無許可で営業している業者も存在するようです。環境省によれば、本来、家庭から出た廃棄物を回収するためには「一般廃棄物処理業の許可」が必要となります。
 
廃品回収を宣伝するチラシや業者のホームページなどに許可を持っている旨が記載されているか、事前に確認しましょう。
 
間違えやすいものに「産業廃棄物処理業の許可」がありますが、これは工場や企業から出た廃棄物を処理するための許可であり、一般家庭から出た廃棄物は処理できません。また「古物商の許可」は中古品などの売買を行うための許可なので気をつけましょう。
 
一般廃棄物処理業の許可を持たずに家庭から出た不用品を回収しているとしたら、違法業者であると考えられます。利用するとトラブルになる可能性があるので十分注意しましょう。
 

実際にあったトラブル事例

無許可の廃品回収業者を利用してトラブルになった事例には、以下のようなものがあります。

●不用品の回収は無料だったが、高額な処分料を請求された
●軽トラックに積み込んだ後で作業料を徴収された
●一度利用したらその後何度も不用品がないか訪問された
●回収を依頼したもの以外のものまで持って行かれた
●回収した不用品を不法投棄された

違法業者により回収された廃棄物が適正に処理されなかった場合、環境対策を行わずに廃家電を破壊することでフロンガスや鉛などの有害物質が環境中に放出されたり、発火・延焼により火災が発生したりするおそれがあります。
 
このようなことが起こらないようにするためにも、廃品回収業者選びは慎重に行いましょう。
 

回収した不用品をリユースすることで利益を得ているので無料回収が可能な場合もある

「無料で不用品を回収します」と宣伝している廃品回収業者は、回収した不用品をリユースすることで利益を得ている場合もあるようです。
 
しかし、中には「無料回収」を宣伝しながら実際には高額な費用を請求してくるような業者も存在します。そのような業者は家庭から出た不用品を回収するために必要な「一般廃棄物処理業の許可」を持たずに営業している可能性があります。
 
このような業者を利用すると、何度もしつこく訪問されたり、引き渡した不用品を不法投棄されたりするおそれがあるため、十分注意しましょう。
 

出典

環境省 いらなくなった家電製品は正しくリユース・リサイクル! Q&A
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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