タクシー代を1万円で払おうとしたら「今お釣りがなくて…」と言われました。今どきはどこもキャッシュレス決済なのでしょうか?
配信日: 2025.04.02

しかし、タクシー業界ではキャッシュレス決済の導入が進んでおり、今後「お釣りがないから別の支払い方法にして」と言われる可能性もあるかもしれません。
そこで今回は、タクシーを利用した際の支払い方法と、タクシー業界のキャッシュレス化の動きについて解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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タクシー代の支払いはキャッシュレスが主流なのか
経済産業省「消費者実態調査の分析結果(サマリー)」によると、タクシーでよく使用される支払方法は表1の通りです。
表1
支払い方法 | 割合 |
---|---|
現金 | 63% |
クレジットカード | 23% |
QRコード | 7% |
電子マネー | 4% |
その他 | 3% |
出典:経済産業省 商務・サービスグループ キャッシュレス推進室「消費者実態調査の分析結果(サマリー)」を基に筆者作成
キャッシュレス決済は3割程度にとどまっており、約6割は現金で支払っていることが分かります。キャッシュレス決済は、タクシー以外にも多くの場面で使用できますが、必ずしも主流になっているとは限らないでしょう。
普段の支払い方がタクシーの支払いにも影響する
同調査によると、タクシーの支払い方法は、普段の生活でどの方法を利用しているかによっても異なるようです。日常の支払い方法別のタクシーの決済方法は表2の通りです。
表2
キャッシュレス層 | キャッシュレス 積極利用層 |
現金キャッシュレス 併用層 |
キャッシュレス 消極利用層 |
現金層 | |
---|---|---|---|---|---|
現金 | 39% | 57% | 80% | 90% | 90% |
クレジットカード | 40% | 26% | 11% | 6% | 5% |
QRコード | 12% | 8% | 3% | 2% | 2% |
電子マネー | 6% | 4% | 4% | – | – |
デビットカード | 3% | 3% | – | – | – |
出典:経済産業省 商務・サービスグループ キャッシュレス推進室「消費者実態調査の分析結果(サマリー)」を基に筆者作成
普段からキャッシュレスで支払いを済ませている方は、タクシー利用時にも現金よりキャッシュレスの支払いがメインであることが分かります。しかし、普段から現金の支払いが多い方やどちらも利用する方は、タクシーの支払いは現金が多い傾向にあります。
特に、個人経営のタクシー会社はキャッシュレス決済システムを導入していない場合もあり、現金のみの支払いしかできないケースも少なくありません。そのため、タクシーの支払いは現金が中心であると考えられます。
タクシー業界のキャッシュレス化は進んでいる
現金支払いの方が多いタクシー業界ですが、実はキャッシュレス化が進んでいます。全国ハイヤー・タクシー連合会「決済用端末機導入状況」によると、令和4年3月31日時点のキャッシュレス対応率は90.8%です。
特に都心部を中心にキャッシュレス対応車が増加しており、東京都と神奈川県では99.4%、愛知県でも98.7%の導入率となっています。3年前の調査になるため、さらにキャッシュレス化が進んでいる可能性もあるでしょう。
また、近年はタクシーの配車アプリが誕生し、キャッシュレス決済がしやすくなりました。配車アプリでは現金支払いのほか、アプリ専用決済やクレジットカード、QRコード決済などの支払い方法が充実しています。
そのため、タクシー業界にも少しずつキャッシュレス支払いが浸透しているといえるでしょう。
タクシーでキャッシュレス決済をするメリット
タクシーでキャッシュレス決済をするメリットは以下の通りです。
●会計がスムーズになる:スマートフォンやカードを出せば決済ができるため、小銭を探す時間やお釣りを受け取る手間がなくなる
●ポイントを貯められる:クレジットカードや決済アプリのポイントが貯まるため、現金払いよりもお得感がある
●家計管理を統一できる:カードやQRコード決済は利用明細が残るため、現金とカード支払いなどに分けて家計管理をする手間が省ける
キャッシュレスにすれば必要以上の現金を持たなくてもいいため、万が一盗難された場合などのダメージを最小限におさえられる可能性があります。キャッシュレス決済はタクシーの支払い以外にも多くのメリットがあり、今後さらに社会全体のキャッシュレス化は進むでしょう。
タクシー業界のキャッシュレス化は進んでいる
タクシーでの支払いは現金の方が多い傾向にありますが、着実にキャッシュレス化が進んでいます。実際に、タクシーのキャッシュレス対応率は90%を超えており、クレジットカード、QRコード、ICカードなどの方法で支払いが可能です。
日本では、2025年6月までにキャッシュレス支払比率を4割にすることを目標にしており、今後もキャッシュレス化は進んでいくと予想されます。キャッシュレス支払いはポイントが貯まったり、会計時間の短縮につながったりするため、タクシーの支払いでもメリットが複数あるでしょう。
出典
経済産業省 消費者実態調査の分析結果(サマリー)(9,42ページ)
一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会 決済用端末機導入状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー