母に「家賃12万円の部屋に住んでる」と言ったら、「貯金すればいいのにもったいない」と返答が! 賃貸にお金をかけるのは、本当に“もったいない”の?
配信日: 2025.04.03

しかし、住環境の快適さや利便性を重視し、あえて家賃の高い物件に住む人もいます。賃貸物件の家賃にお金をかけるのは、果たして「もったいない」のでしょうか?
本記事では、東京23区を前提とした家賃相場を紹介したうえで、賃貸にお金をかけるのはもったいないのか解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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東京23区の平均家賃
まず、都内の家賃相場を見てみましょう。ただ、一口に都内と言っても、エリアや物件の広さによってさまざまです。SUUMOによると、ワンルームでは8万円~11万円、1K/1DKでは9万円~11万円、1LDK/2K/2DKでは13万円~20万円あたりが家賃の相場です。
こうして見ると、都内で12万円の家賃は特別に高いわけではなく、立地や設備によっては標準的な価格と言えるでしょう。
家賃は収入の何割にすべき?
いくら家賃が相場から見て標準的だとしても、自分の収入次第では「もったいない」という状況になることもあります。一般的に「家賃は手取り収入の3割以内が理想」と言われています。例えば、手取り月収が以下のような場合の理想の家賃のおおまかな目安は次の通りです。
●手取り20万円:家賃6万円
●手取り30万円:家賃9万円
●手取り40万円:家賃12万円
家賃を抑えすぎると通勤や生活の利便性、住環境が悪化することもあるため、バランスが重要です。とは言え、例えば自分の手取りが毎月20万円以下にも関わらず、家賃が12万円の場合、収入に対する家賃の支出が大きく、「もったいない」と言えるかもしれません。
賃貸にお金をかけるのはもったいない? お金をかけるメリットとデメリットとは?
賃貸は持ち家と違い、家賃を支払っても最終的に「自分の資産」にはなりません。この点から「お金をかけるのはもったいない」と考える人も多いでしょう。しかし、賃貸ならではのメリットも存在します。
賃貸にお金をかけるメリットとしては、ライフスタイルに合わせて柔軟に住み替えられる点が挙げられます。転職や結婚、家族構成の変化などに応じて、住み替えがしやすく、そのときの自分に合った場所に住むことができます。仮にライフスタイルが変わらなくとも、「次はあの街に住んでみたい」といった軽い気持ちでも、持ち家よりは転居がしやすくなります。
また、持ち家とは異なり、物件の修繕費や固定資産税を支払う必要はありません。住宅ローンを抱えることもないため、大きな借金も不要です。
一方、賃貸にはデメリットもあります。持ち家の場合、住宅ローンを払い終われば基本的に毎月の大きな支出はありませんが、賃貸では家賃がずっと発生します。例えば、家賃が毎月12万円の場合、10年間で1440万円です。これだけの金額を払っても自分の資産としては残りません。
また、賃貸はあくまでも借りものですので、リフォームや改築には制限がつきものです。将来的にも、高齢になると賃貸の契約が難しくなる可能性もあります。
まとめ
賃貸にお金をかけるのが「もったいない」と思うかどうかは、その人の価値観やライフスタイル次第です。
「できるだけ節約して貯金したい」「将来的に家を買いたい」 という人は、家賃を抑える選択が合理的と言えます。一方で、「利便性や快適さを優先したい」「月収がかなり高く家賃が高くても生活に支障がない」という人は、高めの家賃でも納得できるかもしれません。
収入とのバランスを見たうえで、賃貸にお金をかけることが必ずしも「もったいない」とは限りません。高い家賃が自分の生活の質を高めるものであれば、必要な場合もあるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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