お刺し身の上の「タンポポ」を残すのはもったいない!? 価格は1ついくらなの? 実は「食用菊」って本当? 役割や食べ方もあわせて解説

配信日: 2025.04.03

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お刺し身の上の「タンポポ」を残すのはもったいない!? 価格は1ついくらなの? 実は「食用菊」って本当? 役割や食べ方もあわせて解説
お刺し身に添えられている、小さくて黄色いかれんな花を目にしたことがある人は多いでしょう。この花を「タンポポ」と呼ぶ人もいますが、正式には道端に咲いているタンポポではなく、食用に栽培された「菊」です。
 
食用菊はお刺し身の皿の彩りとして添えられているという側面もありますが、実はほかにも意味があります。本記事ではそんなお刺し身の脇役、「食用菊」について解説していきます。
渡辺あい

執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)

ファイナンシャルプランナー2級

食用菊とは

食用菊は菊の一種、キク科キク属の植物で、東北地方や新潟県で多く栽培されている花です。食用菊はその名の通り食べられる花、「エディブルフラワー」のひとつで、観賞用の花とは異なり、食べても問題のない農薬を使用したり、衛生面に配慮したりして栽培されています。
 
また、おいしく食べられるように、苦味が少なくなるよう工夫をして育てられた「特別な菊」なのです。気になるその味わいですが、甘さとほろ苦さがあり、シャキシャキとした食感を楽しむことができます。 
 

刺し身に食用菊を添える意味は?

なぜ、食用菊はお刺し身に添えられるようになったのでしょうか。「菊」は奈良時代から薬草として使用されてきたという歴史があります。
 
菊には「グルタチオン」と呼ばれる成分が含まれており、この成分には殺菌効果があると言われています。ほかにも、「わさび」「青じそ」「穂紫蘇(ほじそ)」「紅たで」といったお刺し身に添えられている薬味なども、元々は同様に殺菌効果を期待して添えられ始めたものです。
 
もちろん味わいがアップするという目的もありますが、本来は傷みやすいお刺し身の食中毒予防として添えられるようになったという背景があります。
 
また、殺菌以外にも、菊の香りでお刺し身の生臭さを和らげてくれる効果もあるので、わさびと同様にお刺し身をおいしく食べる薬味としても、とても優秀な存在となっているのです。
 

料理屋さんだけじゃなく個人でも買えるの? 価格は?

食用菊はお刺し身のパックに入っていたり、小料理屋のお刺し身の皿に載っていたりするものというイメージが強いかもしれませんが、個人でも購入することが可能です。
 
商品の仕入れ状態は店舗によって異なるため、必ず手に入るというわけではありませんが、道の駅や野菜の直売所、または大きめのスーパーの青果コーナーで販売されていることが多いようです。一般的に菊の花の旬は秋ごろなので、この時期であれば手に入れることができそうですね。
 
また、オンラインでも販売されており、あるサイトでは20~30個入りの食用菊が486円(送料別)で販売されています。仮に25個入りとすると、1つ約19.5円です。お刺し身のパックやお店の料理に盛られていても食べないという人も多いかもしれませんが、価格や薬味としての役割を考えると、残すのはもったいないと言えるかもしれませんね。
 

どうやって食べればいいの?

お刺し身に添えられている食用菊は、基本的に薬味として使います。ガクから花びらを摘んでしょうゆに散らし、刺し身と一緒に味わうといいでしょう。また、食用菊は薬味以外にも調理に使うことができます。
 
株式会社ニチレイフーズでは、食用菊を使ったさまざまなレシピを紹介しています。食用菊は、甘酢漬け、天ぷら、菊の花ごはんなど、意外にもバリエーション豊富に調理が可能です。
 
ただし、食用菊はあまり日持ちがせず、冷蔵保存だと1~2日が目安となっているので、すぐに使い切れない場合は、冷凍保存をするとおいしさを長く楽しむことができそうです。
 

お刺し身の「タンポポ」は食べられる

最近では本物の食用菊ではなく、プラスチックの造花が彩りとして添えられていることもある「タンポポ」ですが、本来は刺し身の殺菌効果や臭み消しの効果を期待されて添えられています。
 
好みはあると思いますが、お刺し身に添えて食べると爽やかな風味が楽しめるので、今まで「飾りだ」と思って食べていなかった人も、チャレンジしてみてください。
 
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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