世帯年収500万円で貯金は100万円…。12歳の息子のために大学費用を全額払ってあげたいのですがまだ間に合うでしょうか?
配信日: 2025.04.06

大学進学を想定している場合、計画的に初年度に支払う学生納付金や授業料などを用意する必要があります。本記事では、大学費用の目安や教育資金を貯めるときの考え方などを見ていきましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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令和5年度の大学費用の目安
文部科学省の「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査」によると、私立大学の初年度納付金は147万7339円でした。内訳は、以下のとおりです。
・授業料:95万9205円
・入学料:24万806円
・施設設備費:16万5271円
なお、令和5年の国立・公立大学の授業料の平均は53万5800円、入学料の平均は28万2000円でした。合計で81万7800円であり、私立大学よりも費用を抑えられることが分かります。
この結果から4年間の総額で用意すべき金額としては、私立大学の場合は500万円程度、国立大学の場合は250万円程度が目安といえそうです。
残り5年で教育資金を貯める方法
今回の相談者は、現在子どもの年齢が12歳であるため、大学資金を用意するための期間は5年程度です。年齢的に学資保険への加入は難しく、またNISAで運用しながら増やそうとしても、運用期間が5年だと元本割れのリスクが伴います。
貯金は100万円とのことですが、手元の100万円は生活防衛資金として確保しておくべきでしょう。そのため、今回の相談者のケースだと、児童手当を確実にプールしつつ、あわせて日頃の収入から大学資金を用意する必要があります。
児童手当制度において、3歳以上高校生年代までの子がいる場合、毎月1万円の児童手当が支給されます。60ヶ月分で60万円となるため、この児童手当は教育資金として、生活費とは分けて管理しましょう。
児童手当の60万円を加味したうえで、「これから5年間(60ヶ月)で400万円を用意する」という計画を立てた場合、毎月必要となる積立貯金額は「400万円÷60ヶ月=約6万7000円」となります。
手取り収入が額面の80%と仮定した場合、約20%を積立貯蓄に回す計算になるため、やや無理がある計画といえるでしょう。
「取りあえず初年度納付金として、100万円程度用意できればよい」という目標であれば、毎月必要となる積立貯金額は「100万円÷60ヶ月=約1万7000円」です。2年目以降の授業料を別途用意する手だてを考える必要があるものの、この金額であれば無理なく積み立てられるのではないでしょうか。
ただし、今後は教育費用が上昇する可能性がある点に留意する必要があります。また、今回のシミュレーションでは予備校や塾に通う費用を加味していません。場合によっては、予備校や塾の費用が、貯金ペースを鈍化させる可能性が考えられるでしょう。
さらに、遠方の大学を受験する場合は、受験の際に移動費や宿泊費などが発生します。大学の初年度納付金だけでなく、さまざまな費用が発生する点を織り込み、ゆとりを持った資金計画を立てることが重要といえるでしょう。
まとめ
教育資金は、人生で発生する三大支出の一つです。大学に進学する希望がある場合は、計画的に進学費用を用意しましょう。
教育資金は高額になるものの、必要になるタイミングがある程度予測できます。逆算して必要な貯金額をシミュレーションしやすいため、実際に各家庭で必要な積立貯金額を計算してみてください。
出典
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー