子どもが巣立ったので、7人乗りミニバンから「軽自動車」に乗り換えようと思います。維持費が「年間15万円」安くなるなら、200万円の新車でも安いものですよね?

配信日: 2025.04.06 更新日: 2025.04.07

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子どもが巣立ったので、7人乗りミニバンから「軽自動車」に乗り換えようと思います。維持費が「年間15万円」安くなるなら、200万円の新車でも安いものですよね?
巣立ちの春、子どもがひとり立ちして親のみの暮らしになる家庭は多いことでしょう。それまで家族全員を乗せて多くの場所へ行った思い出の車も、乗り換える決心がつく頃ではないでしょうか。
 
ただ、例えばこれまで家族で乗っていたミニバンから、200万円の新車の軽自動車にすることを検討した場合、維持費は安くなることが見込めるものの、新車の購入にはお金がかかるため、迷っているということもあるかもしれません。
 
本記事では、7人乗りミニバンと軽自動車の維持費を比較します。
FINANCIAL FIELD編集部

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ミニバンと軽自動車の維持費

軽自動車は、普通車と比べて維持費が安いと言われています。では7人乗りのミニバンと比べると、年間いくらの違いが出るのでしょうか? 現在乗っているミニバンを10年前に買ったものと仮定して図表1で試算します。
 
具体例を挙げるため、本記事では「10年前のミニバン」をトヨタ ヴォクシー(2014年1月モデル)とし、軽自動車と維持費を比較してみました。
 
図表1 【1年ごとにかかる維持費】

軽自動車 ヴォクシー2014年式
自動車税 1万800円 3万9500円
ガソリン 4万7297円 11万9863円

東京都主税局、マツダ株式会社、トヨタ自動車株式会社より筆者作成
 
軽自動車税は一律で1万800円です。一方、普通車の自動車税は排気量や車種などによって異なります。ヴォクシーは排気量2リットル以下に収まっており新車なら3万6000円ですが、2019年9月30日以前に初回新規登録した車なので3万9500円です。
 
ガソリンは年1万キロメートル、レギュラー175円を想定しました。軽自動車は燃費性能のよいマツダ キャロル(ハイブリッド)を想定し、JC08燃費33.1キロメートル毎リットル、と、ヴォクシーの2014年式JC08燃費14.6キロメートル毎リットルをもとに計算しています。
 
次に図表2で、2年ごとの車検でかかる費用を見てみましょう。
 
図表2 【2年ごとの車検時にかかる維持費】

軽自動車 ヴォクシー2014年式
車検基本料金 1万~6万円 1万~7万円
自動車重量税 6600円 3万2800円
自賠責保険料 1万7540円 1万7650円
印紙代 1600円 1600円
【1年あたり】 2万2820~4万2820円 6万2050円~12万2050円

軽自動車検査協会、国土交通省運輸局より筆者作成
 
車検費用は、基本料金に加えて必ず法定費用がかかります。法定費用は自動車重量税・自賠責保険料・印紙代の3つです。
 
基本料金は、ディーラー・チェーンの車検店・街の整備工場など、車検をどこでするかによって異なります。今回は相場を参考に記載しました。
 
自動車重量税は車体の重量によって金額が変わる税金です。自賠責保険はどこの保険会社でも保険料・保証内容が同じで、沖縄県・離島のみ金額が異なります。印紙代は車検を受ける店舗や車体重量により異なる場合があります。
 
では次に図表3で、新車を買って10年間乗る場合、1年あたりの費用を維持費として加算して比較します。なお、ローンの利息は考慮しません。
 
ヴォクシーの新車価格は221万円(2014年当時)とし、10年で割ると1年あたり22.1万円、一方、200万円の軽自動車は10年で割ると1年あたり20万円として計上します。
 
なお、維持費はこのほかにも駐車場代や洗車費用などもありますが、人によって異なるので計上していません。
 
このほか、任意保険に入っている人は保険料が数万円かかります。金額は車両の料率クラス・年齢・等級(事故歴)などによって大きく異なりますが、相場としては軽自動車やコンパクトカーは普通車より割安です。
 
図表3 【1年あたりの維持費合計】

軽自動車 ヴォクシー2014年式
1年あたりの合計 29万3737円~34万3737円 44万2413円~51万2413円

図表1、2をもとに筆者作成
 
以上から、ミニバンと軽自動車の維持費の差は年間約15~17万円で、やはり軽自動車が安いと言えます。
 

200万円超えの軽自動車にはどんなものがある?

「200万円の軽自動車」と聞くと、あまり安くないと感じるかもしれませんが、具体的には、どんなものがあるのでしょうか?
 
軽四輪で10年連続販売台数1位のホンダN-BOXは発売当時の2011年で約124万円でしたが、現在では約169万円、2024年には180万円を超える「N-BOX JOY」を発売しました。現在は14のタイプがあり、過半数の8タイプ(4WDは10タイプ)が200万円を超えています。
 
N-BOXの次に売れているスズキ スペーシアは153万~196万円でカスタム車が200万円を超え、ダイハツ タントは145万~185万円でカスタム車が200万円超えです。新車を180万円程度で買ったとすると、オプション装備と諸費用で200万円を超えるでしょう。
 
軽自動車の新車販売価格が上がり続けている今、軽自動車であっても200万円という価格は当たり前のようにあるという印象です。
 

まとめ

ミニバンから軽自動車に乗り換えることで、維持費が年間約15~17万円安くなることが分かりました。単純に10年間で考えるとその差は150~190万円です。
 
乗り古した車にはさらなるメンテナンス費用もかかるため、買い換える新車が200万円であっても「高すぎることはない」と考えることができます。子どもが巣立った今、親も気持ちを新たに、新車を迎えることを考えてもよいでしょう。
 

出典

総務省 自動車税・軽自動車税種別割
国土交通省 自動車重量税額について
軽自動車検査協会 継続検査(車検)
東京都主税局 自動車税種別割
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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