VHSの映像「2025年」以降は見られなくなる? ダビング・デジタル化の料金相場はいくらなのでしょうか?

配信日: 2025.04.07

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VHSの映像「2025年」以降は見られなくなる? ダビング・デジタル化の料金相場はいくらなのでしょうか?
映像記録メディアとして主流だった「VHS」ですが、2025年以降は再生やダビングが困難になるといわれています。その理由の一つが、VHSデッキの生産終了と部品供給の停止です。
 
デッキ自体が入手できなくなるだけでなく、修理も難しくなり、VHSテープの再生環境が失われます。また、VHSは磁気テープを使用しているため、経年劣化による再生不能のリスクも高まっています。
 
本記事では、VHSの視聴が困難になる背景や、ダビング・デジタル化の料金相場、業者の選び方などについて解説します。
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なぜVHSが見られなくなる?

VHSデッキは、すでに国内メーカーでの生産が終了しています。デッキの部品も徐々に市場から消えつつあり、故障した場合の修理が難しくなっています。そのため、手元にあるデッキが壊れてしまうと、新たに入手するのは難しいでしょう。
 

磁気テープの劣化が進む理由

VHSテープは磁気を利用して映像を記録していますが、湿度や温度の影響を受けやすく、経年劣化による映像や音声品質の低下が発生しやすいメディアです。特に湿気が多い環境ではカビが発生しやすく、保存状態によっては20~30年程度で劣化する可能性があります。また、テープのたるみや切断など物理的な損傷によって、再生不能になるケースもあります。
 
国連教育科学文化機関(ユネスコ)でも、「マグネティック・テープ・アラート」として、磁気テープは2025年までにデジタル化しないと使用できなくなる可能性があると警告しています。このため、思い出の映像を守るためには早めの対応が重要です。
 

VHSの視聴環境がなくなる可能性

VHSデッキの故障や入手困難化に加えて、テレビとの接続の問題もあります。
 
現在主流となっているテレビにはHDMI端子のみ搭載されている場合が多く、VHSデッキに搭載されているアナログ端子(RCA端子やS端子)と直接接続することが難しくなっています。変換アダプターを使用する方法もありますが、画質の劣化や音ズレなど再生品質への影響を受ける可能性は捨てきれません。
 

VHSのダビング・デジタル化とは?

VHSをデジタル化すれば、映像の劣化が進むのを防ぎ、長期間の保存も可能です。また、DVDやBlu-rayにダビングしておくと、VHSデッキがなくても視聴できます。さらに、パソコンやスマートフォンで読み込めるデータなら、デバイス間でも共有しやすくなり、家族や友人とも簡単に映像を楽しめるようになります。
 

VHSのダビング方法

VHSのダビング方法には、大きく分けて「個人で変換する方法」と「専門業者に依頼する方法」の2つがあります。それぞれの方法にはメリットと注意点があるので、以下で見てみましょう。
 
1. 個人で変換する
 
VHSデッキとパソコンを接続し、キャプチャーデバイスを使用してデジタル化します。この方法は比較的安価ですが、作業に時間がかかり、画質や音質の調整が難しい点に注意が必要です。また、高解像度なテレビで再生すると、元の低解像度映像が粗く感じられることがあります。
 
2. 専門業者に依頼する
 
専門業者なら専用の機材で高画質に変換できるため、画質や音質もオリジナルに近い状態を保つことができます。また多くの場合で、スマートフォン転送や編集オプションなど便利なサービスが用意されていることもあります。ただし、費用が発生するため予算との兼ね合いが必要です。
 

VHSダビング・デジタル化の料金相場

VHSのダビング・デジタル化の料金は、業者やサービス内容によって異なりますが、一般的な相場は図表1の通りです。
 
図表1

ダビング形式 料金相場(1本あたり)
DVDにダビング 約1000〜2000円
Blu-rayにダビング 約1000〜4000円
スマートフォン・USB保存 約1000〜5000円

ダビング業者の料金プランを基に筆者作成
 
本数が多いほど割引が適用される場合が多く、10本以上まとめて依頼すると1本あたりの単価が安くなるでしょう。なお、テープが劣化している場合は修復費用が別途かかることがあるため、依頼前に確認することをおすすめします。
 

VHSダビング業者の選び方と注意点

VHSは時間とともに劣化し、再生できる環境も減少しており、再生が難しくなる可能性があります。大切な映像を守るため、信頼できる業者にダビングを依頼しましょう。
 

店舗型とネット注文の違い

VHSダビング業者には、店舗で直接受け付けるタイプと、インターネット経由で注文するタイプがあります。店舗型は、スタッフと直接相談できるため安心感があります。一方、ネット注文は自宅からでも手軽に依頼が可能で、宅配便でテープを送付し受け取る形式が一般的です。どちらも、サービス内容や納期を事前に確認することが重要です。
 

仕上がりの品質や納期をチェック

業者によっては、変換後の画質が低下したり、納期が長くかかったりする場合があります。口コミや評判を確認して、品質が高く、納期も適切な業者を選ぶようにしましょう。
 

スマホ転送や保証パックなどのサービスを活用

最近では、スマートフォンに直接映像を転送できるサービスを提供する業者も増えています。また、一部業者では保証パックを提供しており、変換後にトラブルが発生した場合でも対応してくれるので安心です。これらのオプションサービスについては、事前に確認して選ぶとよいでしょう。
 

VHSは早めにダビング・デジタル化しよう

2025年以降、VHSの視聴がますます難しくなることが予想されます。VHSデッキの生産終了やテープの劣化により、再生環境がなくなる可能性が高いため、早めにダビング・デジタル化することをおすすめします。
 
業者に依頼する際は、料金やサービス内容を比較し、自分に合った方法を選びましょう。
 

出典

国連教育科学文化機関(UNESCO) Magnetic Tape Alert Project supported by IFAP
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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