電車内でベビーカーの子連れに「タクシーで移動しろ」と怒鳴る人が! 実際「タクシー料金」を考えると現実的ではないと思うのですが、ベビーカーの利用は問題ないですよね? トラブルを回避する方法はあるのでしょうか?
配信日: 2025.04.10

こんな経験をしたことがある人や、目撃したことがある人もいるかもしれません。
小さな子どもを連れての移動は、荷物も多くなりがちでとても大変です。保護者は周囲に気を配りながら移動していますが、それでも心ない言葉を浴びせられることもあります。ベビーカーを利用する保護者も、周囲の人も、互いに気持ちよく電車を利用できる方法はないのでしょうか。
本記事では、子連れ移動のトラブルを回避し、周囲と快適に過ごすための工夫を紹介します。さらに、公共交通機関で活躍するベビーカーの種類や、子ども運賃の仕組みについても解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子連れ移動でトラブルを回避! 周囲と気持ちよく過ごすための工夫
公共交通機関でのベビーカー利用には賛否あるのが事実で、使用する保護者と周囲の双方がストレスを感じることがあります。周囲の不満として多いのは、ベビーカーが通路やドア付近をふさぐことです。
一方、使用者側からは、ベビーカーを折りたたんだほうがよい状況でもスペースの問題などで難しいことや、エレベーターの不足といった課題が挙げられています。
こうしたトラブルを回避し、周囲と快適に過ごすためには、時間帯や乗車位置の工夫が必要です。可能であれば混雑時間を避け、電車では車両の端や優先席付近を利用すると周囲への影響を抑えられます。また、コンパクトなベビーカーを選び、必要に応じてスムーズに折りたためるように準備しておくと安心です。
また、子どもの機嫌を保つ工夫として、お気に入りのおもちゃや、匂いや音の出ないお菓子を用意するのも1つです。動画が好きな子どもであれば、子ども用イヤホンを使って音が出ないように視聴できる環境を整えておくのもいいかもしれません。
公共交通機関で活躍するベビーカーの種類は?
公共交通機関では、ベビーカーを折りたたまずに利用できますが、混雑時など状況によっては折りたたんだほうが良い場面もあるかもしれません。
そのため、電車やバスに乗るときは、コンパクトに折りたためるタイプのベビーカーが便利です。特に片手で簡単にたためるモデルなら、混雑時でもスムーズに対応できます。B型ベビーカー(生後7ヶ月頃から使用できるタイプ)は比較的コンパクトなものが多く、2万~3万5000円程度で購入できるものもあります。
また、軽量タイプのベビーカーであれば、階段やエスカレーターを使う場面でも負担を減らせるため、エレベーターがない駅や、混雑する時間帯でも安心できるでしょう。
一方、長時間の移動が多い場合や安定感を重視したい場合は、対面式やハイシートタイプのベビーカーが適しています。ただ、A型ベビーカー(新生児から利用でき、寝かせることもできるタイプ)は、4万~7万円程度とやや高価なものが多くなります。
最近では、公共交通機関向けに設計されたベビーカーも登場しているため、電車移動が多い人は購入を検討してみてはいかがでしょうか。生活スタイルに合わせて最適なベビーカーを選びましょう。
子連れの移動費はいくら? 公共交通機関の子ども料金を解説
子どもと公共交通機関を利用する際、運賃がどのように適用されるかを知っておくと、移動の計画が立てやすくなります。ここでは鉄道と、阪急バスの例で解説します。
●大人運賃:12歳以上(中学生以上)
●小児運賃:6歳以上12歳未満(小学生) 大人運賃の半額(10円単位で切り上げ)
●幼児(1歳以上6歳未満)・乳児(1歳未満):大人1人につき2人まで無料、3人目から小児運賃
鉄道では、幼児のみで乗車する場合や、幼児が指定席を利用する場合は小児運賃が必要になります。また、阪急バスの大原野線では、保護者同伴の幼児は全て無料です。
「邪魔だからタクシーで移動しろ」は現実的?
人によっては、「スペースをとるんだから、子連れは配慮してタクシーで移動すべき」という考えの人もいるかもしれませんが、現実的に考えると難しいでしょう。
仮に東京都内で上野駅から新宿駅まで移動するとします。電車であれば片道210円ですが、タクシーで移動すると4000円ほどかかります。また、そもそもベビーカーは「電車やバスでは折りたたまずに乗車できる(※)」とされているため、乗車に問題はありません。
※バスは走行環境によっては折りたたみ・着席をお願いされる場合があります
もちろん周囲への配慮は大切ですが、ベビーカーを使用しているからといって、電車の何倍もの費用がかかる交通手段を他者から強制されるべきではないと考えられます。
まとめ
子連れで電車に乗る際、周囲の目が気になることもありますが、ベビーカーマークの普及など、公共交通機関におけるベビーカー利用の環境整備が進められています。また、国土交通省のバリアフリー法に基づく施策により、駅構内のエレベーター設置や段差解消など、バリアフリー化も進行中です。
こうした取り組みにより、子連れ移動の利便性は向上しつつありますが、ベビーカー利用での移動をより快適にスムーズにしていくためには、周囲の理解も必要不可欠です。ベビーカー利用が当たり前の選択肢として受け入れられる社会になるよう、各々が意識を変えていくことが求められているのかもしれません。
出典
国土交通省 鉄道 運賃・料金のしくみ
阪急バス 大人運賃と小児運賃
国土交通省 公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会 とりまとめ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー