新社会人になるので、中古の「トヨタ カローラ」を格安の30万円で購入! 父に「車検と税金だけで毎年10万は飛ぶ」と言われましたが、車ってそんなにお金がかかるものなのでしょうか?
配信日: 2025.04.11

しかし、車は購入費用より維持費の負担のほうが大きい場合があります。「車本体が安いから」といった理由で安易に購入してしまうと、維持費で生活が苦しくなるかもしれません。
本記事では18年落ちの「トヨタ カローラアクシオ」を例に、車検費用、税金などの維持費について解説します。

執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
税金と車検費用だけで10万円を超えるのは本当?
まず、車を維持するのに必ず必要な税金と車検費用について考えます。自動車を保有すると毎年自動車税の支払いが必要です。
自動車税は、排気量ごとに税額が定められており、排気量1.496リットルのカローラアクシオの場合は3万4500円(新規登録が2019年9月30日以前の場合)となります。ただし、新規登録から13年経過している場合は、自動車税の重課対象となり15%高い3万9600円の支払いが必要です。
車検費用に関しては、どこの店・工場で車検を受けても費用負担が変わらない法定費用と、店・工場によって費用が変動する代行手数料・検査費用に分けられます。
法定費用は以下の通りです。
・自動車重量税:2万4600円(1230キログラムのカローラアクシオの場合)
・自賠責保険料:1万7650円
・印紙代:1600円
ただし、13年経過、18年経過でそれぞれ自動車重量税は高くなります。18年経過の場合1万3200円増額の3万7800円となり、法定費用の合計は5万7050円です。
車検前の点検や車検の代行手数料などは、どの店に頼むかによって変わってきます。例えば、あるカーディーラーに頼む場合は4万3560円が必要です。
これらに加えて、車検がない年は12ヶ月点検を受けなければなりません。前記したカーディーラーで行う場合の費用は7700円となります。
合計で車検は2年に1回行うのでこれを1サイクルとすると、自動車税2年分、車検費用、法定12ヶ月点検費用の合計は18万7510円です。
ただし、これは部品交換が必要ない場合で、バッテリーやタイヤ、ブレーキパッドなどの交換が必要になると、車検時にはこれ以上の費用がかかります。したがって、「税金と車検費用だけでも年間10万円以上かかる」というのは、あながち間違ってはいないのです。
そのほか車の維持にかかる費用は?
車の維持費は、税金や車検費用だけでは終わりません。ガソリン代や保険料、駐車場代なども必要です。
自動車保険(任意保険)は年齢や等級によって保険料額が異なりますが、新社会人の場合は「等級が低く」「年齢も若い」ため保険料は高額となります。車両保険を入れた場合、年間12万円程度かかることもあるため、購入前に見積もりを取っておいたほうが良いでしょう。
ガソリン代は年間の走行距離によって異なりますが、仮に年間5000キロメートルの走行、1リットルあたりガソリン代170円で計算してみましょう。2006年10月発売のカローラアクシオ Xのカタログ燃費は1リットルあたり16.2キロメートルなので、年間約5万2500円が必要になります。
さらに、駐車場を契約する場合は駐車場代が必要です。駐車場代は地域差が大きいので一概には言えませんが、仮に月1万円の場合は年間12万円の負担となります。あらかじめ地域の相場を調べておく必要があるでしょう。
つまり、車検費用や税金以外でも年間30万円近くかかる要素があるのです。車検費用と合わせて年間40万円程度となった場合、月に3万円以上の負担が発生します。
購入費用だけで判断すると後悔することも
車は購入費用が安くても、維持費が想像以上にかかることに注意が必要です。年式が古い車は、税金や車検費用が高くなりやすく、さらにガソリン代や保険料、駐車場代などもかかります。
購入時に維持費まで考えずに決めてしまうと、結果的に負担が大きくなり後悔することになりかねません。車を選ぶ際は、購入費用だけでなく、維持費も含めて無理なく生活は続けられるかを判断することが大切です。
出典
千葉県 令和6年度自動車税種別割税率及び月割税額早見表
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士