コツコツ貯めていた小銭で買い物したところ、「大量の小銭はご遠慮ください」と断られてしまいました。店側が小銭の「受け取り拒否」をすることもあるのですか?

配信日: 2025.04.11

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コツコツ貯めていた小銭で買い物したところ、「大量の小銭はご遠慮ください」と断られてしまいました。店側が小銭の「受け取り拒否」をすることもあるのですか?
普段買い物をしていると、財布の小銭入れの中に細かい硬貨がいつのまにか増えて財布が膨れてしまったといった経験をした方も多いのではないでしょうか。特に、税込み価格の端数のある支払いをするたびに細かい硬貨が増えやすいです。
 
また、レジで会計するときにスムーズに済ませようとしてお札を使いがちになった結果、小銭が減らずにどんどんたまることもあるでしょう。
 
しかし、たまった小銭で買い物をしようとした際、その数があまりにも多いと、「大量の小銭はご遠慮ください」と断られるケースがあります。
 
本記事では大量の小銭を使うことはできるのかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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同じ硬貨を21枚以上使うと「受け取りを拒否」される可能性がある

大量の小銭を使うことは法的に問題があるのか疑問に思う方もいるでしょう。
 
「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」の第7条によると、「貨幣は、額面価格の二十倍までを限り、法貨として通用する」と定められています。
 
つまり、同一硬貨による支払いは20枚までに制限されているのです。これは、多くの硬貨が使用されると計算に手間がかかったり、保管が大変で店舗の業務にも影響を与えたりするため、このような制限が設けられているのです。
 
また、硬貨1枚1枚の重さは大したことはなくても、枚数が大量になると何キログラムもの重さになってしまい、持ち運ぶのは容易ではありません。硬貨の管理は重くかさばるため、店舗にとって負担が大きいことも使用できる硬貨の枚数に制限がある理由と考えられます。
 

店舗の判断で「21枚以上の硬貨」を受け取ることは問題ない

法的には同一額面の硬貨による支払いは20枚までと制限されているものの、店舗側の判断で21枚以上の硬貨を受け取ること自体は問題ありません。財務省によると、21枚以上の硬貨を使用することについて、「取引の相手方の了解が得られるならば、それを妨げるものではありません」という記述があります。
 
一方で紙幣(日本銀行券)については、日本銀行法の第46条第2項で「法貨として無制限に通用する」と規定されており、枚数の制限などはありません。
 

「大量の硬貨」をなるべくコストをかけずに「両替」する方法

大量の硬貨を持っていると、使う側としても重くてかさばり、管理が大変です。これを解決する手段としては、額面の小さい硬貨を額面の大きい硬貨、もしくは紙幣に両替する必要があります。
 
大量の硬貨をなるべくコストをかけずに両替するためには、ATMを使って一度自分の銀行口座に入金し、その後引き出すとよいでしょう。しかし、1回に入金できる硬貨の枚数に制限があるので注意しましょう。入金可能な枚数は金融機関やATMの機種によって異なりますが、一般的には100枚までとなっていることが多いようです。
 
また金融機関によってはATMでの預け入れなどの取引に硬貨を使用する場合、手数料が発生するケースがあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
 

まとめ

クレジットカードや電子マネーの普及に伴って、現金以外の決済手段で買い物をするようになった人もいるでしょう。
 
しかしキャッシュレスで支払いたくても、現金しか受け付けていない所もあるため、まだまだ現金を持ち歩く必要があります。そして現金を使う場合に、数えるのに時間がかかるのを避けるため、小銭をたくさん持っているのに紙幣で支払いをするという人もいるかもしれません。
 
普段キャッシュレス決済を使用していてあまり現金を使わず、使用したとしても紙幣であることが多いと、小銭はどんどん増えていきます。
 
しかし本記事で解説したように、法律で硬貨は「額面価格の20倍まで」を限度として通用すると定められているため、同一額面の硬貨を21枚以上使った場合、店舗側は受け取りを拒否することができます。店舗に迷惑がかからない範囲でこまめに小銭を使うように心掛けるのが望ましいでしょう。
 

出典

e-Govポータル法令検索 通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律(昭和六十二年法律第四十二号) 第七条(法貨としての通用限度)
e-Govポータル法令検索 日本銀行法(平成九年法律第八十九号) 第五章 日本銀行券 第四十六条(日本銀行券の発行) 第2項
財務省 よくあるご質問 通貨 お金には使用できる枚数の制限があるのですか
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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