東京のマンションの平均価格「1億円」超え! 少しでも安く買うために「定期借地権付きマンション」を選択する人が増えている?
配信日: 2025.04.12

特に30代から40代の女性にとって、マイホーム購入という夢はさらに遠く感じられるかもしれません。「億ションなんて無理」と諦める方も多いのではないでしょうか。しかし、そんな中で注目を集めているのが「定期借地権付きマンション」という選択肢です。

執筆者:稲場晃美(いなば てるみ)
お金と不動産相続のコンシェルジュ
宅地建物取引士・AFP・住宅ローンアドバイザー・相続診断士
定期借地権とは?
「定期借地権付きマンション」とは、土地そのものを購入するのではなく、一定期間借りる形でマンションを所有する仕組みを持つ物件です。
この「定期借地権」は法律で定められており、一般的には借地期間が満了した際には建物を解体し土地を地主に返還する必要があります。しかし、この制度が生まれた背景には、土地所有に対する多様なニーズが関わっています。
定期借地権付きマンションの最大の特徴は、その価格の割安さ。土地を所有しない分、購入時の初期費用が抑えられるため、「億ション」の壁を少しでも低く感じられるのです。
定期借地権付きマンションのメリット・デメリット
この仕組みにはメリットだけでなくデメリットもあります。
<メリット>
1. 初期費用が抑えられる
土地代が含まれないため、購入費用が大幅に軽減されます。
2. 資産計画に柔軟性を持たせやすい
将来、買い換えや引っ越しを考えている場合にも適しています。
<デメリット>
1. 借地期間の制約
借地期間が満了すると、マンションの住み続ける権利がなくなります。
2. 資産価値の減少
土地を所有しないため、資産としての価値が一般的なマンションと比べ低い場合があります。
これらのポイントを十分理解した上で選択することが重要です。具体的にケーススタディでどんな方に適しているのか確認してみましょう。
どのように選択すべき? 具体例を紹介
<ケース1:都心の好立地での購入>
ある30代の夫婦が、東京都心の駅近マンションを探していました。しかし、所有権付きマンションでは予算オーバー。そこで、定期借地権付きマンションを選択しました。
この物件は駅から徒歩5分、周辺には商業施設や公園が充実しており、生活環境が非常に良好でした。土地代が含まれないため、同じエリアの所有権マンションよりも約30%安く購入できました。
夫婦は「将来的に住み替えを考えているので、資産価値よりも利便性を重視した」と話しています。
<ケース2: 解体費用を考慮した計画的な購入>
40代のシングルマザーが、子どもたちが独立するまでの住まいとして定期借地権付きマンションを購入しました。
この物件は契約期間が60年で、解体費用の積立金が月々の管理費に含まれていました。購入時に解体費用の試算が明確に提示されており、将来の負担が見えやすかったため安心して購入を決断したそうです。
彼女は「子どもたちが独立した後は、もっと小さな住まいに移る予定なので、期間限定の住まいで十分」と語っています。
まとめ
選択の幅を広げる新しい視点 「億ションなんて買えない」と思っている方も、定期借地権付きマンションという選択肢を知ることで、夢を少し現実に近づけられます。
人生の大きな決断となるマイホーム購入。未来の可能性を広げるために、情報を正しく理解し、自分のライフプランに合った住まい方を選択してみてはいかがでしょうか。
執筆者:稲場晃美
お金と不動産相続のコンシェルジュ
宅地建物取引士・AFP・住宅ローンアドバイザー・相続診断士