車間距離が「近すぎる」と違反になるって本当? 違反になった場合の罰則金はどのくらいなのでしょうか?
配信日: 2025.04.14

そこで本記事では、車間距離が近すぎる場合の違反基準と罰則を解説し、安全運転のために必要な適正な車間距離についても説明します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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車間距離は近すぎると危険
車間距離が近すぎると、追突事故のリスクが格段に高まります。前の車が急ブレーキを踏めば、停止が間に合わなくなる可能性が高くなるためです。特に、高速道路では速度が出ている分、わずかな車間距離の不足が重大な事故に直結しかねません。
また、車間距離が詰まっている状態は、後続車から心理的な圧迫感が与えられるため、「あおり運転」と認識されることもあります。意図しなくても、トラブルの原因を作ってしまう恐れがあるでしょう。
安全運転のためには、常に適切な車間距離を保つ意識が不可欠です。十分な車間距離はゆとりを持った運転につながり、結果として事故防止に大きく貢献します。
車間距離不保持は違反
「車間距離不保持」は、道路交通法第26条で定められている違反行為です。条文には、「車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない」とあります。
つまり、前の車が急ブレーキを踏んでも、安全に止まれるだけの距離を空けておかなければなりません。
具体的にどれくらい車間を空ければよいのか
必要な車間距離については明確な数値が法律で定められていませんが、一般道を時速30~60キロメートルで走行している際は、速度計の数字から15を引いた距離(メートル)が目安とされています。
時速40キロメートルであれば25メートル、時速60キロメートルであれば45メートルの車間距離を取るのが理想的です。
一方、高速道路の場合、時速60キロメートルを超える速度で走行している際は、速度計の数字と同じ距離(メートル)を目安にしましょう。時速80キロメートルなら80メートル、時速100キロメートルであれば100メートルです。
ただし、これらはあくまで乾燥した路面での目安です。雨の日や雪道、路面が凍結している状態であれば制動距離(ブレーキが利き始めてから車が停止するまでの距離)が長くなるため、上記の目安の約3倍に相当する車間距離が必要になることを覚えておきましょう。
また、距離ではなく「時間」で車間距離を測る方法もあります。前の車が通過した地点(例えば標識など)を自分の車が通過するまでの時間を計ってみてください。一般道では2秒以上、高速道路では3秒以上空けるのが理想的です。
車間距離不保持の罰則
車間距離不保持で検挙される場合の違反点数と反則金は、一般道と高速道路で異なります。それぞれの道路における、違反点数と反則金は下記のとおりです。
【一般道での「車間距離不保持違反」】
違反点数は1点/反則金は大型車7000円、普通車・二輪車6000円、小型特殊車・原付5000円
【高速道路での「高速自動車国道等車間距離不保持違反」】
違反点数は2点/反則金は大型車1万2000円、普通車9000円、二輪車7000円、小型特殊車・原付6000円
高速道路での違反に対しては、より重い罰則が科せられます。また、悪質な「あおり運転」と判断された場合には「妨害運転罪」が適用される可能性があります。この場合、最大で5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるほか、違反点数35点が加点され、欠格期間3年(前歴や累積点数がある場合は最大10年)の免許取り消し処分となります。
適切な車間距離で安全運転を
車間距離を適切に保つことは、自分自身や周りのドライバーの安全を守るためにも重要なことです。追突事故を防ぐだけでなく、あおり運転を避けるための第一歩です。車間距離を常に意識して安全運転を心掛け、快適なカーライフを送ってください。
出典
デジタル庁 e-GOV 法令検索 道路交通法
環境省 デコ活 エコドライブ活動情報一覧 車間距離と燃費の関係
警視庁 交通違反の点数一覧表
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
千葉県警察「妨害運転罪」の創設について(令和2年6月30日施行)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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