ニュースで「高額療養費制度」の話題を何度も耳にしました。高額医療費ってどのような仕組みでいくらくらい払うものなのでしょうか?

配信日: 2025.04.16

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ニュースで「高額療養費制度」の話題を何度も耳にしました。高額医療費ってどのような仕組みでいくらくらい払うものなのでしょうか?
けがや病気で治療費が高額になった際には、「高額療養費制度」によって医療費の負担額は所得によって上限が決められています。今回は、この高額療養費制度とはなにかを解説します。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

高額医療費制度とは

高額医療費制度とは、医療費の家計負担が重くならないように、医療機関や薬局で支払った額が、ひと月の間(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度で、上限額は年齢や所得に応じて定められています。また、一定の条件を満たすことにより、負担をさらに軽減する仕組みも設けられています。
 

実際にはいくら支払うの?

毎月の上限額は、年齢(70歳以上かどうか)、と加入者の所得水準によって分けられており、70歳以上の方の場合は、外来のみの上限額も設けられています。
 
図表1

図表1

(厚生労働省保健局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をもとに筆者作成)
 
図表2
図表2

(厚生労働省保健局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をもとに筆者作成) 
 
一つの医療機関等での自己負担(院外処方代を含みます)では、上限額を超えないときでも同じ月の別の医療機関等での自己負担(69歳以下の場合は2万1000円以上であることが必要です)を合算できます。この合算額が上限額を超えるようであれば、高額療養費の支給対象です。
 

すべての医療費が対象になるわけではない

高額療養費の計算対象となるのは、健康保険が適用された医療費のみです。よって諸費用や自由診療の医療費は対象になりません。高額療養費の対象にならない費用の具体例としては、差額ベッド代、病院の食事代、日用品代、健康保険が適用されない歯科治療の自由診療費用、美容整形費用等の診療費用、正常分娩の出産費用等があります。
 

申請はどのようにすればいいの? 過去の分はさかのぼれるの?

ご自身が加入している健康保険組合や協会けんぽ、国民年金保険の方であれば、市町村に高額療養費の支給申請書を提出または郵送することで支給が受けられ、場合によっては病院の領収書の添付を求められる場合もあります。
 
また、過去の医療費については診療を受けた月の翌月の初日から2年ですので、もしその期間に高額医療費に該当する場合にはすぐに手続きをすることをお勧めします。また、支給されるまでには受診した月から少なくとも3ヶ月程度はかかります。
 

まとめ

病気にならないのがベストですが、万が一のときでもこのような制度があることを知っているだけでも安心です。また、この制度があることを前提に民間の医療保険も考えると保険料の節約にもなりますが、差額ベッド代はこの制度外ですので入院時の環境を考えて民間保険を考えるのもいいでしょう。
 

出典

全国健康保険協会 高額な医療費を支払ったとき(高額医療費)
厚生労働省保健局 高額療養費制度を利用される皆さまへ
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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